朝日土地建物 不動産コラム

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2021-10-01 16:25:38

マイホーム購入購入と維持にかかる諸費用

マイホーム購入時の盲点!?

マイホームを購入すると、物件購入価格とは別に、税金や引越し代など様々な諸費用がかかります。これらの費用は、物件購入価格の3%~10%ほどになると言われています。

また、マイホーム購入はゴールではありません。住宅ローンの返済のスタート、そして「家」という資産管理のスタートです。それらにかかる費用を見落とすと、新生活の家計を圧迫しかねません。

今回は、マイホーム購入と維持にかかる諸費用について説明します。

マイホーム購入時にかかる諸費用

1.  仲介手数料

不動産会社の仲介によって400万円以上の不動産を取得した場合の手数料は、以下の計算式で求められます。

物件価格 × 3% + 6万円 + 消費税

例)2,000万円の不動産を買った場合 → 72万6千円

2,000万円 × 3% = 60万円
+ 6万円
+ 消費税10% = 6万6千円
合計 72万6千円

2. 印紙税(住宅ローン契約時、不動産譲渡契約時)

不動産の譲渡に関する契約で、納税のために契約書に貼る印紙税です。ローン契約書や不動産譲渡契約書など、各々の契約書毎に必要です。

契約金額 本則税率 軽減後の税率
500万円超1,000万円以下 1万円 5千円
1,000万円超5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円超1億円以下 6万円 3万円
1億円超5億円以下 10万円 6万円

抜粋:国税庁「「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の 印紙税の軽減措置の延長について」
※ローン契約時に結ぶ金銭消費貸借契約書に貼る印紙については軽減税率はありません。
※軽減後の税率:令和2年4月1日から令和4年3月 31日までに作成される不動産譲渡契約時の契約書に適用される。

3. 消費税(物件引き渡し時)

不動産広告を見ると、税込表示がされていて、土地と建物両方に消費税がかかっているように見えますが、土地には消費税はかかりません。建物だけに消費税はかかります。消費税は物件の引き渡し日に課税されます。

消費税額 = 建物価格 × 消費税率10%

例)1,500万円 × 10% = 150万円

4. 登録免許税及び登記手続き料金(登記時)

土地や建物を購入すれば、その所有権は購入者に移転します。移転の登記や新築した建物の所有権の保存登記にかかる税金が、登録免許税です。
住宅ローンを借りるために土地や建物を担保し、抵当権を設定する登記にも課税されます。

この登記手続きを土地家屋調査士や司法書士に依頼する場合、その報酬額も必要です。登録免許税と登記申請時にかかる司法書士の報酬を混同し、「司法書士に払う金額が高すぎる」と勘違いしトラブルになるケースもあるようです。登録免許税と登記依頼の報酬は別と理解しましょう。

土地、建物の所有権の移転登記、建物の保存登記、抵当権の設定登記の税額は以下の通りです。

登記の種類 登録免許税の税率(本則)
所有権移転登記(土地) 評価額×2.0%
住宅用家屋所有権保存登記(新築建物) 評価額×0.4%
住宅用家屋所有権移転登記(中古建物) 評価額×2.0%
抵当権設定登記(住宅ローン借り入れ) 借入額(債権額)×0.4%

参考:国税庁「登録免許税の税額表」

5. 不動産取得税(不動産取得後)

不動産取得税は、土地や家屋(住宅)を取得した場合に、一度だけかかる税金です。家屋を無償で譲り受ける場合でも、取得したら課税されます。

課税対象額は、固定資産税評価基準による評価額(課税標準額)です。これは固定資産税台帳に登録されている価格です。実際の購入金額や建設費ではないので、注意が必要です。

不動産を取得してから半年〜1年後に納税通知書が届くので、納付期限に注意して支払います。

建物および土地にかかる税率は以下の通りです。

建物の場合

不動産取得税 = 課税標準額 × 4%(原則税率)

※ただし、2024(令和6)年3月31日までに「住宅」として取得した建物に対しては、3%の軽減税率が適用されます。

土地の場合

不動産取得税 = 課税標準額 × 4%(原則税率)

※ただし、2024(令和6年)3月31日までに取得したものについては、評価額(固定資産税評価額)を2分の1に減額し、さらに税率を3%とする軽減措置が取られています。

不動産取得税は様々な税の軽減措置があります。軽減措置により非課税となる場合も多いので、よく知ることが重要です。

以下に東京都の軽減措置をご紹介します。

5.1 新築住宅取得税軽減措置

建物部分の固定資産税評価額から、さらに1,200万円が控除されます。

軽減措置税額 = (課税標準額 ー 控除額1,200万円) × 3%

軽減を受けるための条件
  • ・居住用の不動産であること
  • ・住宅の延べ床面積が50㎡(一戸建て以外の賃貸住宅は40㎡)以上、240㎡以下

※「長期優良住宅」の認定を受けた場合は、控除額が1,300万円に拡大されます。

5.2 新耐震基準に適合する中古住宅の軽減措置

要件を満たせば、固定資産台帳の評価額(課税標準額)から、定められた額が控除されます。

軽減措置税額  = (課税標準額 - 築年月日ごとに定められた控除額) × 3%

軽減を受けるための条件
  • ・個人が自己の居住用に取得した住宅であること
  • ・床面積が50㎡以上240㎡以下であること
  • ・昭和57年1月1日以降に新築されたものである、もしくは、昭和56年12月31日以前でも新耐震基準を満たす証明がされたものであること
控除額
新築された日 控除額
平成9年4月1日〜 1,200万円
平成元年4月1日〜平成9年3月31日 1,000万円
昭和60年7月1日〜平成元年3月31日 450万円
昭和56年7月1日〜昭和60年6月30日 420万円
昭和51年1月1日〜昭和56年6月30日 350万円
昭和48年1月1日〜昭和50年12月31日 230万円
昭和39年1月1日〜昭和47年12月31日 150万円
昭和29年7月1日〜昭和38年12月31日 100万円

引用:東京都主税局「不動産取得税」

留意点
  • ※床面積は現況の床面積であり、登記床面積と異なる場合があります。
  • ※マンション等で共用部分がある場合、当該共用部分の床面積を専有部分の床面積割合によりあん分した床面積も 含まれます。
  • ※併用住宅の場合、住宅部分の床面積で判定します。

5.3 新耐震基準に適合しない中古住宅の軽減措置

購入時に新耐震基準を満たしていない不動産であっても、以下の条件を満たせば、定められた額が控除されます。

軽減を受けるための条件
  • ・床面積が50㎡以上240㎡以下であること
  • ・取得日から6ヶ月以内に、取得した個人が当該中古住宅について耐震改修工事を行うこと、かつ、耐震改修工事後の住宅が建築士等による耐震診断等により耐震基準に適合していることの証明がなされていること
  • ・取得日から6ヶ月以内に、耐震改修工事後の住宅に居住すること
控除額
新築された日 減額額
昭和56年7月1日〜昭和56年12月31日 12万6千円
昭和51年1月1日〜昭和56年6月30日 10万5千円
昭和48年1月1日〜昭和50年12月31日 6万9千円
昭和39年1月1日〜昭和47年12月31日 4万5千円
昭和29年7月1日〜昭和38年12月31日 3万円

引用:東京都主税局「不動産取得税」

留意点
  • ※昭和56年12月31日以前の新築については、上記の条件を満たさなければ控除されません。
  • ※昭和29年6月30日以前に新築された住宅の場合、上記の条件を満たしていても控除されません。
  • ※当該住宅の価格が控除額未満の場合はその額を限度とします。
  • ※併用住宅の場合は、非住宅部分からは控除されません。

6. 固定資産税・都市計画税

固定資産税は、毎年1月1日現在の土地・家屋などの所有者が納める税金のことです。
固定資産税評価額(課税標準)の価格をもとに算定され税率は1.4%(標準税率)で市区町村が課税します。

固定資産税額 = 課税標準額 × 1.4%

都市計画税は、公園・都市計画道路・下水道・土地区画整備事業等に要する費用に充てるために課税するものです。税率は最高で0.3%です。ちなみに町田市は0.24%、相模原市は0.3%、海老名市は0.2%です。固定資産税とともに納税します。住宅用の家屋や土地は軽減措置が適用され課税標準や税額が下がります。

都市計画税 = 課税標準額 × 0.3%(最高)

※固定資産税評価額(課税標準額)は3年に一度見直されます。

6.1 住宅用地の特例措置

特例の対象は、専用住宅(居住専用の家屋)と併用住宅(店舗などと併用されている住宅)があります。今回は併用住宅の説明を省略します。

専用住宅の場合は、その上に存在する家屋の、総床面積の10倍までの土地が、特例措置の対象となります。住宅用地の特例措置を適用した額は、下表の通り計算されます。

区分 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地 住宅用地で住宅1戸につき200㎡までの部分 価格 × 1/6 価格 × 1/3
一般住宅用地 小規模住宅用地以外の住宅用地 価格 × 1/3 価格 × 2/3

引用:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

6.2 新築住宅の減額

新築された住宅が50㎡以上280㎡以下の場合、新たに課税される年度から一定の期間、居住部分で1戸あたり120㎡相当分までを限度として、固定資産税の1/2が減額となります。

減額される期間は以下の通りです。

建物の条件 減額期間
認定長期優良住宅で3階建て以上の耐火・準耐火建築物 7年間
認定長期優良住宅(上記以外) 5年間
一般の住宅 3年間

7. 住宅ローンにかかる費用

住宅ローンに必要な費用は、収入印紙代(ローン契約書)、融資事務手数料、抵当権設定登記費用、抵当権設定登記手数料、住宅ローン保証料、団体信用生命保険料、火災保険料・地震保険料、フラット35を使用する場合は物件検査手数料などの費用が必要となります。

7.1 収入印紙代(ローン契約書)

住宅ローン契約時、金融機関と交わす課税文書である「金銭消費貸借契約書」に貼る印紙代です。詳細は印紙税の項目をご覧ください。

7.2 融資事務手数料

住宅ローンを金融機関から借りるときの手数料です。
金融機関によって異なりますが、定額と定率の2種類あります。

  • 定額:金融機関ごとに異なるものの、融資金額の大小に関わらず定額 → 初期費用をおさえたい方、短期間で返済したい方向け
  • 定率:融資金額に、金融機関ごとに異なる率を掛けた金額 → 長期返済予定の方、初期費用を多く支払っても後の支払いをおさえたい方向け

融資事務手数料は高いが金利が低いなどのケースもあるので、諸費用も含めて、総支払金額がいくらになるのかを確認する必要があります。

7.3 抵当権設定登記費用(登録免許税)と手数料

住宅ローンを借りるには、返済し終えるまでの間、購入する土地や建物を担保し、貸し手の金融機関に抵当権を設定する必要があります。抵当権設定登記費用は、この抵当権設定の登記にかかる税金です。税率は原則0.4%で、借りたローンの金額にかかります。

なお、一定の条件(※)を満たせば、登録免許税の税率が本来の0.4%から0.1%に引き下げられます。

特例措置を受ける条件
  • ※1 2022年3月31日までに抵当権設定登記を行うこと
  • ※2 個人が使用する床面積50㎡以上の住宅
  • ※3 新築後または取得後1年以内に登記すること
  • ※4 中古の場合は※2※3に加えて、築25年以内(木造は20年以内)に建築されたもの。築年数がこれを超えている場合は、一定の耐震基準を満たすもの。

また、この登記にかかる司法書士への報酬も別途かかります。

7.4 住宅ローン保証料

住宅ローン保証料とは、保証会社に保証人となってもらうための費用のことです。
不測の事態で契約者がローンを支払えなくなった場合には、保証会社は払えなくなった債務を肩代りして銀行に支払います。ただしその後、契約者は残債や遅滞利息を保証会社に支払う義務が生じるため、債務がなくなるものではありません。
なお、フラット35では保証料は不要です。

7.5 団体信用生命保険

団体信用生命保険(以下、団信)とは、債務者が死亡した場合や、高度障害状態となり債務の返済ができなくなった場合に、保険会社が債務者に代わって残債を支払う保険のことです。

民間金融機関の住宅ローンは、その多くが団信の加入を義務付けています。

返済期間中に何が起こるかは予見できないため、たとえ任意であっても加入することをおすすめします。
ちなみにフラット35は団信の加入は任意ですが、住宅信用保険機構でも団体信用生命保険を用意しています。
ただし、団信への加入には健康状態の告知および審査があります。

7.6 火災保険料

火災保険とは、地震以外の自然災害などにより、住まいが被害を受けた際の損害を補償する保険です。

民間の住宅ローンやフラット35で借り入れをする場合は、火災保険の加入が必要です。

もし、やっと購入した家が失火やもらい火で全焼してしまった場合は、住む家を失うばかりか、住宅ローンの残債も払えなくなります。適切な保険金額を設定した火災保険に入っていれば、再度、家を建て直すことが出来ます。

なお、地震が原因となり発生した損害は火災保険では補償されません。

7.7 地震保険料

地震保険とは、地震が原因で発生した住まいの損害を補償する保険です。

地震保険単独での加入はできません。火災保険に原則自動付帯しています。
公共性の高い保険で、保険会社には利益が生じません。また、各保険会社で補償内容も同一です。

地震はいつ起こるかわかりません。また、起これば甚大な被害が出ます。地震保険は加入すべき保険です。

8. 修繕積立基金(新築マンション)

修繕積立基金とは、新築マンションを買う時にかかる費用です。住居により必要な金額は異なります。

9. 水道負担金(一戸建て)

新たに水道を利用する際に必要になる場合があります。新居の属する自治体によって、必要な額も異なります。

10. 引越し費用

現在の住まいから、新居に引越すための費用です。

11. 家具・家電購入費用

住宅購入の際は、間取りや広さが変わるので、新しい家具や家電が必要になることもあります。

マイホーム維持にかかる諸費用

1. 住宅ローンの金利

住宅購入後にかかる費用の筆頭は、住宅ローンの金利です。
例えば、3,000万円を返済期間35年で全期間固定金利1.0%のフラット35で借りた時のシミュレーションをしてみましょう。

借入金:3,000万円
返済期間:35年
返済方法:元利均等返済
ボーナス割合:0%
適用金利:1.0%(全期間固定金利)

毎月返済額:8万5千円

総返済金額:3,557万円

金利を1.0%としても、利息が557万円発生します。高級車が買えるくらいの金額ですね。
現在は借入金利が低く、住宅ローンを組むには好条件です。それでも、少しでも家計の負担を軽減させたいものです。

以下に住宅ローン減税とフラット35Sをご紹介します。

1.1 住宅ローン減税

住宅ローン減税制度は、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。

10年間に渡って、年末のローン残高または住宅取得金額のいずれか小さい額の1%が、所得税および住民税から控除されます。(一般住宅の場合、毎年最高40万)
初回は確定申告が必要ですが、2回目以降は給与所得者であれば年末調整で行えます。

利用条件などの詳細は以下をご覧ください。

国土交通省「住宅ローン減税制度の概要」

1.2 フラット35S

購入する住宅が、フラット35Sの基準を満たす住宅であれば、金利がマイナス0.25%となる優遇金利で借入ができます。

利用条件などの詳細は以下をご覧ください。

住宅金融支援機構「フラット35S」

2. 固定資産税と都市計画税

固定資産税と都市計画税は、毎年課税されます。税率や減税制度については前述した通りです。

3. 修繕費・管理費(マンション)

マンションの場合は、住宅ローンの返済とは別に、修繕費・管理費がかかります。

管理費は、日々快適に過ごせるように共用部分の廊下や敷地などの清掃をしたり、共用施設の維持管理などに使われる費用です。また、修繕積立金は、長期修繕計画に基づき外壁、屋根、配管などのメンテナンスに出費される費用です。

築年数が経過すると金額が高くなることや、大規模修繕のために臨時徴収されるケースもあるので、住宅購入前にある程度の値上がりをシミュレーションしておくことが必要です。

4. メンテナンス費用(一戸建て)

屋根や外壁、給湯設備などは、経年劣化し傷んできます。長期的な視点で考え、修繕のために毎月積立をしておくとよいでしょう。

5. リフォーム費用(マンション・一戸建て)

壁紙、フローリング、浴室、キッチンなども、経年劣化し傷んできます。使い方によって傷み具合は異なりますが、15年〜20年がリフォーム時期と言われています。

6. 水道光熱費

部屋が広くなったり、部屋数も増えている場合は、冷暖房費や水道代が上がります。特に、賃貸から広い住宅に引越した場合などは注意が必要です。

7. 火災保険料

近年、自然災害による損害額が増え、保険会社の収支が悪化したため、火災保険は10年以上の契約ができなくなりました。10年ごとに火災保険の加入経費がかかることを念頭に置いておきましょう。また、10年後に同じ条件、同じ金額で火災保険がかけられるとは限りません。値上がりすることも想定して、長期的な視点で積立をしておきましょう。

まとめ

今回は、住宅購入時と住宅購入後にかかる費用についてまとめました。思った以上に大きな金額となり、驚いたのではないでしょうか。

あらかじめ知っておけば、「住宅購入時の諸費用が払えなくて、計画通りに進められなかった」「メンテナンス不足で、住宅が劣化してしまった」などのトラブルを未然に防ぐことができます。

計画的に夢のマイホームを手に入れましょう!


2021-09-21 11:25:18

不動産広告の見方

物件を探す

物件情報を得るには①新聞・雑誌広告②新聞折込チラシ③パンフレット④インターネット広告などの媒体があります。この中で最も身近なのはインターネット広告でしょう。インターネット広告は、不動産物件検索サイトや不動産会社のホームページから検索できます。スマートフォン向けのアプリも多数出ています。

不動産広告は、不動産の情報を消費者に誤解なく正しく提供しなければなりません。そのため、不当な広告の表示を規制するためのルールを定めた公正競争表示規約があります。不動産会社はどの会社もこのルールに従って広告しています。不動産会社がこの規制を守らず不当表示を行った場合は、行政処分を受けることになります。①~④にあげた媒体は、どれも表示規約にのっとって広告されています(例外として店頭ビラや電車中吊り広告、現地看板など規制がないものもあります)

今回は、広告から得られる情報について、わかりやすく説明します。また、不当な表示についても説明します。広告の表示内容を理解し、自分の求める物件が選択できるようにしましょう。

広告できるタイミング

新築物件の場合は建築確認を受けた後、造成工事中の宅地の場合は開発許可を受けた後でなければ、広告ができません。建築完了前の物件広告には、建築確認番号を記載しなければなりません。また、造成工事完了前の宅地は、開発許可番号を載せなければなりません。架空の番号を載せることは違反になります。

新築と中古

広告で「新築」と表示できるのは「建築後1年未満かつ未入居である」物件です。それ以外は中古になります。

物件写真、完成図、完成予定図

土地や建物の写真は、実際取引するものを掲載しなければなりません。ただし、建築工事中で実際の写真が使えない場合は、その写真が他物件のものであることを明示し、取引しようとする建物と規模、形質及び外観が同一である写真であれば掲載できます。また、建物内部の写真も、写っている内容の規模、形質が同様のものに限って使用できます。完成(予定)図は、その旨を明示し、現況に合致した表示を行います。

間取

間取は公正競争表示規約で使用基準が示されています。居室(寝室)数やリビングダイニングなどの部屋の状況を3LDKなどと表します。3は洋室や和室のなど部屋数です。LDKは居間と食堂、台所が併存する部屋で、DKは食堂と台所が併存する部屋です。DK、LDKについては最低限必要な広さが定められています。例えば、居室の数が1部屋で3畳の食堂と台所はK(台所)となりDKとは表示できません。

居室(寝室)数 DK LDK
1部屋 4.5畳 8畳
2部屋以上 6畳以上 10畳以上

間取図では部屋の畳数が記載されますが、1畳当たりの広さは、各室の壁芯面積を1.62㎡で割った数です。京間、中京間、江戸間、団地サイズなどありますが、公正競争規約では1.62㎡を1畳としていますので、これ以下では1畳と表示でません。

また「納戸」とは、採光・換気のための窓等が建築基準法に適合しておらず、居室と認められないものを言います。洋室・和室・サービスルームや書斎などと表示することはできません。

販売価格

土地には消費税がかかりません。
一戸建てのように、土地以外の建物を含む物件の場合は、『税込』など消費税を含む価格を表示します。多区画の土地や複数(多棟)住戸の新築一戸建ての場合は、最低価格と最高価格を表示します。また、10以上の区画、住戸の場合は最多価格帯を表示します。

例:価格/2,780万~3,030万(税込)
例:最多価格帯 2,800万円台(6棟)

交通の利便

物件の最寄駅からの徒歩所要時間、あるいはバス及びバス停からの所要時間を表示します。徒歩の場合は道路距離80メートルを1分と換算した時間となります(1分未満の端数は1分に切り上げ)。また、バスの所要時間は、バス会社による運行表の時間を記載します。信号待ちなどの時間は入っていません。

例1:小田急線町田駅徒歩12分
例2:小田急線町田駅バス6分 バス停『鞍掛』停歩2分

物件の所在地

個人情報保護法との関係から、マンション以外は〇丁目までの記載が多いです。

例(売地・売家):町田市玉川学園2丁目
例(マンション):町田市中町1丁目11-8

土地面積と私道負担面積

㎡で表示します。1㎡未満の数値は切り捨てても良いですが、四捨五入はできません。尺貫法による間、坪などを取引に用いることは違反になります(併記することは可能)。多区画、多棟物件の場合は最低㎡、最高㎡数を記載します。水平投影面積で表示します。

私道負担とは①土地の一部が私道になっていること②敷地に接している道路が私道で、利用するために負担が生じること、のいずれかに当てはまる場合に発生する面積のことです。

例:土地/110.52㎡~120.21㎡(私道負担6㎡~12㎡あり)

販売区画数・総区画数、販売戸数・総戸数

開発区画内の土地の区画数または建築を予定する住宅の戸数を、総区画(総戸数)として表示します。販売区画数と販売戸数は販売しようとする区画数または戸数です。

例(分譲住宅):全15棟今回販売6棟
例(分譲地):全11区画今回販売7区画

建物面積(専有面積)

建物の面積は延べ面積を㎡で表示し、その面積に車庫、地下車庫等の面積が含まれている時は、その旨とその面積を表示します。マンションの場合は壁芯面積(部屋を上から見て壁の中央から内側の面積)で記載するので、登記面積は壁芯面積より小さくなります。ただし中古マンションでは、建物登記簿に記載された面積を表示することができます。これは壁の内側の面積なので、壁芯面積のように壁の厚みは含みません。

例(マンションの場合):専有面積 78.04㎡(壁芯)
例(一戸建て多棟の場合):建物面積 99.36㎡~105.98㎡

構造及び階数

建物構造と何階建ての建物であるか、および物件のある階数を表示します。建物構造は鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)と表示します。

例:RC造地下1階地上10階建ての8階

バルコニー面積(マンションの場合)

バルコニー面積を表示します。両面バルコニー等複数バルコニーがある場合は、合計値を表示します。
専用庭がある場合は、面積と共に使用料も記載します。

例:バルコニー10.08㎡、専用庭20.15㎡(月額使用料360円)

建築年月または入居予定年月(新築・中古一戸建て、マンション)

建物が完成済みなら建築年月を、未完成なら入居できる予定年月を表示します。

例(中古の場合):平成10年4月築
例(新築の場合):令和〇年12月入居予定

管理費・修繕積立金(マンションの場合)

管理費は、敷地や建物の維持管理費用です。修繕積立金は共用部分などの修繕を長期計画的に行うための費用です。各々1か月あたりの費用を表示します。

例:管理費7,500円、修繕積立金9,700円

管理方式(マンションの場合)

マンションの管理人の勤務形態を表示します。自主管理、日勤、常駐、巡回などを表示します。

建蔽率(土地の場合)

敷地面積に対する建築面積の割合で、住環境と防火上から守るべき基準が定められています。建蔽率が50%であれば、100㎡の敷地に建築面積50㎡以上の建物は建てられません。容積率と含めて、希望物件が建てられるか検討しましょう。

建蔽率(%)=建物面積/敷地面積×100

例:建蔽率=100/160×100=62.5%

容積率(土地の場合)

容積率とは、建物の敷地面積に対する延べ床面積の割合です。容積率が150%であれば、他の建築基準の制約がなければ床面積50㎡の3階建ての住居が建てられます。

容積率(%)=延べ床面積/敷地面積×100

例:容積率=200/160×100=125%

地目(土地の場合)

地目は田、畑、宅地、山林など宅地造成以前の土地の利用状況を知ることができます。

例:地目 山林/現況宅地

    

上記の例では、現在は宅地ですが、以前は山林だったことがわかります

用途地域(土地・新築一戸建て・新築マンション)

用途地域は市街化区域内の土地の使い道を定めたもので、建築できる建物が制限されています。一戸建てを買ったけれど、後から前にマンションが建ってしまったなどという悲惨な目にあわないために、住宅の属する用途地域や、周辺の用途地域の確認が重要です。用途地域は住居、商業、工業地域に分かれています。

1.第一種低層住居専用地域

低層住宅の良好な住環境を守るための地域です。新築や中古の一戸建てのある用途地域は、第一種低層住居専用地域が多いです。10m又は12mの絶対高さの制限があり、1~3階建ての一戸建て中心の環境です。一定規模以下の住宅兼用の店舗や事務所、幼稚園~高等学校は建てられますが、大学や専門学校などは規制されます。コンビニも建てられません。

2.第二種低層住居専用地域

主に低層住宅の良好な環境を守るための地域です。第一種低層住居専用地域と規制は同じですが、違いはコンビニなどの150㎡以内の一定の店舗や飲食店などの建築ができることです。

3.第一種中高層住居専用地域

中高層住宅の良好な住環境を守るための地域です。建物の高さ制限がなく、マンションと戸建てが混在しています。大学や病院、500㎡以内の店舗、飲食店が建てられるので、生活の利便性があります。

4.第二種中高層住居専用地域

第一種中高層住居専用地域に加えて、2階以下で1500㎡以内の一定の店舗や飲食店などが建てられます。第一種よりも広い店舗や飲食店、オフィスの建築が可能で、ガソリンスタンドも建てられます。住居専用地域なのでカラオケ店やパチンコ店などは建てられません。

5.第一種住居地域

中高層住居専用地域よりも制限の少ない、住環境を保護するための地域です。3000㎡までの一定の店舗・事務所、ホテル、ボーリング場、環境への影響の少ない小規模な工場も建てられます。

6.第二種住居地域

10000㎡までの一定条件の店舗、事務所やホテル、マージャン屋、パチンコ店、カラオケボックス、環境への影響が少ない小規模な工場が建てられます。アパートやマンションも多く見受けられる地域です。

7.準住居地域

道路の沿道等で、自動車関連施設などと住居が調和した、環境を保護するための地域です。第二種住居地域に加えて、営業用の倉庫、映画館、劇場なども建てられます。

8.田園住居地域

農地と市街地の共存を図るために設定された住居地域です。低層の住居や農業用の施設(直販所、飲食店、貯蔵倉庫など)に限定して建築が可能です。建物の高さは低層住居専用地域と同じく、10mまたは12mの高さ制限があります。

9.近隣商業地域

近隣の住民が日用品や食料品等を購入できるように設けられた地域です。住宅としては高層マンションが立ち並ぶエリアです。生活の利便性は高いですが、映画館やパチンコ店も建ちます。延べ床面積の制限がないので、場合によっては中規模以上の建物が建ちます。

10.商業地域

商業などの利便の増進を図る地域で、市街地の中心部です。ナイトクラブ、ダンスホールなども建てられる繁華街です。住居に関する規制はなく、高層ビルやオフィスビルも建ちます。地価が高く、物件も高価です。

11.準工業地域

環境悪化の恐れのない工場が建てられます。工場以外にも住宅や店舗も混在している地域です。

12.工業地域

危険性や環境悪化の恐れもある工場や、大量の危険物を扱う貯蔵施設も建築できます。学校や病院は建てられませんが、住宅や店舗は建てることができます。

13.工業専用地域

工業地域よりも更に工業に特化した地域で、どんな工場でも建てられます。この地域に住宅は建てられません。

不利益になる事項、誤解の生じやすい事項の表示

1.セットバックが必要な土地

建築基準法では、幅4mに満たない道路は道路と認められません。しかし古くからの住宅地では、4mに満たない道路も道路としてみなされ、建物が建っています。再建築をする場合は幅4mの道路に建物の敷地を2m以上接道できなければ建築できないため、道路の中心線から2mを確保できる部分を購入した土地から道路として提供する必要があります。この部分をセットバックと呼びます。このような必要がある土地の場合、セットバックする旨を表示しなければなりません。セットバックする面積が土地面積の10%を越える場合は、その面積も表示します。

例:土地165㎡(再建築時にはセットバック20㎡要)

2.古家が建っている土地

土地として売っている場合、古家があると更地にするために古家を解体する費用がかかります。このことを消費者に伝えるために、“古家有”の記載をします。

例:現況 古家有

3.建築条件付きの土地

建築条件付き土地は、一般的な建築条件のない土地と違い、家を建てる建築会社があらかじめ決められている土地のことです。売主か売主の指定したハウスメーカーなどの建築業者との間に、一定期間内(通常3ヶ月以内)に消費者と建物の建築請負契約締結することが決められていて、自分の好きなハウスメーカーを選ぶことはできません。

例:建築条件付き売地 2,500万
(この土地は土地売買契約後3か月以内に売主と住宅の建築請負契約を締結することにより販売されます。この期間内に建築請負契約を締結締結されなかった場合は土地売買契約は白紙となり、受領した手付金などの土地代金はすべてお返しします)

4.市街化調整区域の土地

市街化調整区域は建物を建てることを原則として認められていないので、市街化調整区域にある土地はその旨を表示します(例外で建てられる場合もあります)

例:市街化調整区域。宅地造成及び建物の建築はできません。

5.路地状部分を含む土地

敷地まで行く間に、道路から細長い路地を通って行くような、土地の路地状部分が土地面積の30%以上を占める場合は、路地状部分を含む旨および路地状部分の割合または面積を表示します。

例:土地面積100㎡(路地状部分35㎡含)

6.傾斜地を含む土地

土地面積に含まれる傾斜地の割合が30%以上ある場合は、その旨と傾斜地の割合または面積を表示します。傾斜地によって土地全体が有効に利用できない場合があるためです(マンション・別荘地を除く)

例:土地160㎡(傾斜地70㎡含)

7.高圧線下の物件

土地の上を高圧線が通っている場合は、建物その他の工作物(物置など)の設置が制限または禁止されていることが通例なので、高圧線下の土地である旨およびその制限が及ぶ範囲の面積を表示します。

例:土地125㎡(高圧線下35.36㎡含・高圧線下は建物の建築不可)

8.地上権が設定されている物件

地下を地下鉄が通っている場合で、土地の全部または一部の地下の範囲を定めた地上権が設定されている場合は、その旨を表示します。

例:JR東日本による地上権設定有(地下をJR武蔵野線が通過)17.9㎡

9.不整形地

不整形地とは段差のある土地、三角形の土地など土地の有効利用が著しく制限を受ける土地で、その旨が言葉で書きづらい時は区画図を載せて表示します。

例1:売地280㎡/段差あり(100㎡と50㎡の土地の段差2m)
例2:売地160㎡(地形:ほぼ二等辺三角形)

10.中古住宅・マンションのリフォーム状況

リフォームを表記する場合は、時期と内容を表示します。

例:令和3年8月リフォーム済(全室クロス・フローリング・畳張替、システムキッチン・浴室・トイレ交換、外壁塗装、ハウスクリーニング)

11.学校や病院、役所など公共公益施設や商業施設

子どもと大人では同じ距離でもかかる時間が違うので、施設から物件までの道路距離で表示します。

例:光が丘小学校まで150m

まとめ

このように、不動産広告では消費者の利益を損なうような物件の不当表示を防止し、適切な選択が行えるようにルールを設けています。消費者もこのルールを理解し、物件の正しい理解に役立てましょう。また、広告だけを見て決めるのではなく、現地をしっかりと見て決めることも大切です。広告でおおよその目星をつけてから現地見学会を利用するといった役立て方で、希望の物件と出会いましょう。


2021-08-31 18:18:33

土地・家を購入する前に……建築基準法とは

建築基準法とは?

建築基準法とは、建物を建築する際や利用する際に守らなければならない最低基準を定めた法律です。建築物についてルールを設けることで、安心で安全な生活を送れるよう目指したものです。目の前に日照を遮る大きな建物が建設されたり、購入したマイホームが雨漏りしたら大変ですよね。建築基準法は生命・健康・財産の保護のために必要な法律なのです。

建築確認とは? 勝手に家は建てられない!

建築確認とは、家を建てる前に建物や地盤が建築基準法に適合しているかどうか確認することです。建蔽率や容積率が守られているか、シックハウス対策は行われているか、居室は採光が十分か、まちづくりの計画に合っているかなどがチェックされます。家の新築のほかに、リフォームでも10㎡以上の増築は建築確認が必要です。ただし準防火地域や防火地域では1㎡の増築でも建築確認が必要です。

建築確認は指定された確認検査機関が2度行います。最初は着工前で、書類での確認です。2度目は工事が終わってからで、申請通りに立てられているかどうか担当者が実際現地に来て確認を行います。

建物が未完成の広告では、建築確認を表示しなければなりません。建築確認は建築申請し、受理されてから7日以内に確認証が交付されます。

接道義務とは? 家は道路に面していなければならない!

建物が建つ敷地は幅4m以上の道路に2m以上接していなければなりません。これを接道義務といいます。火災などの消火活動や避難に支障をきたさないよう、消防車や救急車が通れるように、接道義務が設けられています。

ただし、空き地が周囲にあり安全だと判断された場合は例外です。また幅4m未満でも、特定行政庁が指定していれば「2項道路」や「みなし道路」といって例外の扱いになります。

・セットバックとは?

建築基準法のできる前からある古い道路は、幅4m未満のものでも建築が認められています。ただし、再建築する時は道路の中心線から2m後退させます。この後退をセットバックと言い、後退させた線が道路境界線になります。宅地や中古戸建の購入時は「セットバック〇〇㎡要」の文字に注意が必要です。

セットバック部分のある土地

セットバック部分のある土地

・再建築不可の建て替えできない土地がある

旗竿地で道路に2m以上接道していない、他人の土地を通って道路に出るなど敷地が道路に面していない場合、更地にして新築ができない再建築不可の土地があるので注意が必要です。(建築確認の不要な改築やリフォームはできます)

旗竿地

旗竿地


飛び地

飛び地

用途規制とは? 周辺の環境がわかる!

建築基準法では、この地域は住宅用、あるいは商業用、工業用、というように、エリアごとに用途地域を定めています。このルールを用途規制といいます。用途地域が定められていないと、どうなるでしょう? みんなが自由に好きな建物を建てると、自然に囲まれて静かに暮らしたいのに、家の隣にパチンコ屋や工場ができたりします。それを防ぐために市街地を分類して、地域ごとに建築できる建物を規制しているのです。では、どんな地域があるのでしょうか?

用途地域は13種類あり、住居専用地域、住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域の順に大規模な建築物、飲食店、娯楽用の店舗などの規制が緩やかになります。工業地域や工業専門地域では、住宅や宿泊施設の建設が規制されたり、建築できなかったりします。第1種低層住居専用地域は1~2階建ての一戸建て専用の住宅が建てられるので、住宅街だと思ってよいでしょう。一方、高層マンションの用途地域は商業地域になります。映画館や百貨店なども建てられる場所なので、活気のある街中というイメージです。平成30年に新設された田園住居地域は、戸建などの低層住宅地に農地のある地域が指定されています。農地の宅地化を防ぐための用途地域です。

建蔽率とは? 建築できる面積が制限される!

建蔽率では、敷地にどれくらいの床面積の建物が建てられるかを規制しています。敷地いっぱいに建物を建てると防火上・住環境への悪影響(隣の家に日が当たらないなど)が生じるため、土地に対して建物が占める割合を規制しているのです。これは都市計画で用途地域ごとに30~80%の範囲内で定められています。建蔽率は以下の計算式で求めることができます。

建蔽率=建築面積÷敷地面積×100

異なる用途地域にまたがる土地の場合は、それぞれの地域に対する用途地域の割合に応じて割り振って計算します。例えば敷地面積が100㎡、うち60㎡が建蔽率50%で40㎡が建蔽率80%の場合は、以下の計算式です。

建蔽率=(60㎡×50%+40㎡×80%)÷(60㎡+40㎡)×100=62%

この場合、この土地に建てられる建物の建築面積の上限は100㎡×62%=62㎡となります。

  • 〈例外〉
  • ・防火地域内に耐火建物を建てる場合や、角地にある土地の場合は、延焼の可能性が低いので、用途地域ごとに定められた建蔽率に+10%の緩和がされます。
  • ・建蔽率が80%で防火地域内に耐火建築物を建てる場合、建蔽率の制限を受けずに建物を建てることができます。

容積率とは? 延べ床面積にも制限がある!

建物の敷地面積に対する延べ床面積の割合を容積率といいます。これも用途地域ごとに上限が定められています。これを指定容積率と呼びます。以下の計算式で求められます。

容積率=延べ床面積÷敷地面積×100

例えば100㎡の土地の容積率が150%の場合、150㎡の延べ床面積の建物が建てられます。

〈例外〉

1.前面道路の幅員が12m未満の場合

敷地の前面道路の幅が12m以下の場合、指定容積率と「前面道路によって定める容積率の最高限度」のうち、小さなものがその土地の容積率の上限になります。前面道路によって定められる容積率の最高限度は、前面道路の幅員に、用途地域ごとに定められた法定乗数をかけ合わせて求められます。

容積率=道路の幅員×法定乗数(居住用の場合0.4)

例えば前面道路が4mの場合、4m×0.4=160㎡となり、この土地の指定容積率が80%の場合、指定容積率のほうが小さいので、この土地の容積率は上限80%になります。

2.特定道路から70m以内の敷地の場合

敷地の前面道路の幅が6m以上12m未満で、特定道路(幅員が15m以上の広い道路)から70m以内にある敷地の容積率は、前面道路幅が12m未満であっても容積率は緩和されます。

3.敷地周辺に広い空き地がある場合

特定行政庁が認可した場合のみですが、容積率が緩和される場合があります。

4.車庫、備蓄倉庫などの部分は容積率に含めない

居住用以外の用途で使われる部分については容積率に含めない特例があります。

  • ・車庫に使われる建物の部分は、延べ床面積の1/5を限度として、容積率に算入されない。
  • ・防災用備蓄倉庫、蓄電池を設ける部分は延べ床面積の1/50を限度として容積率に算入されない。
  • ・自家発電設備、貯水槽を設ける部分は延べ床面積の1/100を限度として容積率に算入されない。

高さ制限とは? 建物の高さには上限がある!

建てられる建物の高さは、都市計画などによって上限が決められています。前面道路や隣地の陽当たり、通風の確保などのためです。

1.絶対高さ制限

第1種・第2種住居専用地域、田園住居地域に適用される高さ制限です。陽当たりに配慮して設定され、10mまたは12m以内のどちらか都市計画で決められています。

2.道路斜線制限

道路の陽当たりや環境の確保の目的で設けられた高さ制限で、すべての地域に適用されます。前面道路の反対側の境界線から、一定の勾配で示された線の内側が建築できる範囲になります。道路斜線制限の高さは、道路中心の高さからの高さです。地盤面からの高さではありません。

3.隣地斜線制限

隣地の陽当たりや住環境を守るために設けられた高さ制限です。地面から20mを超える部分から制限がかかります。隣地斜線制限の高さは、地盤面からの高さです。隣地境界から一定の高さを超える部分に斜線による高さを制限するもので、よく斜めに切り取られたデザインのマンションを見かけるのはこの制限のためです。低層住居専用地域以外に適用されます。

4.北側斜線制限

北側斜線制限は低層や中高層の住居専用地域の北側に適用するもので、北側の隣地の陽当たりの悪化を防ぐための高さ制限です。敷地の北側境界線に一定の角度で斜線を引き、その外側には建物を建てられません。

防火地域・準防火地域とは?

建物が密集する地域で火災が発生した時、できるだけ延焼しないように都市計画法で定められているのが、防火地域と準防火地域です。これらの地域に建物を建てる場合、建築基準法によって建物の構造や材料など、必要な耐火性能が定められています。建築コストがかかるので注意が必要です。

たとえば防火地域内に3階建て以上の建物を建てる場合は鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造などの耐火性のある建築物でなければなりません。また、2階建て以下であっても延べ床面積が100㎡を超える場合には耐火建築物にしなければなりません。

準防火地域の場合は4階建て以上の建物、1500㎡を超える建物の建築には耐火建築物としなければなりません。基準は防火地域よりは緩和されています。

建築基準法の耐震基準~長く住むために~

地震の多い日本では、簡単に倒壊しないように地震に対する建物の強度基準を建築基準法で定めています。耐震性は平成12年に制定された「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」に基づいて、耐震等級という基準で評価、表示されるようになりました。

  • ・等級1:建築基準法と同程度の耐震性能
  • ・等級2:建築基準法の1.25倍程度の耐震性能
  • ・等級3:建築基準法の1.5倍程度の耐震性能

では、建築基準法と同程度の耐震性能とはどの程度のものでしょうか。

昭和56年6月1日以降に建築確認で合格した物件は、新耐震基準に基づいて設計されています。旧耐震基準と新耐震基準を比較は、以下の通りです。

地震規模 旧耐震基準 新耐震基準
中規模(震度5強程度) 変形・倒壊しない 損傷しない
大規模(震度6強~7程度) 規定なし 倒壊・崩壊しない

建築協定ってなに?

地域の環境を維持するために、都市計画の手続きを経ないで住民の合意という比較的簡単な手続きで設定できる取り決めです。建築協定では、建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠、設備に関する基準を定めることができます。建築協定に違反する場合は、建築協定の中の違反者への措置として裁判で認められれば強制履行、強制執行などで工事の指し止めなどが行われます。

家屋にも決まりがある

住宅の居室にも決まりがあります。たとえば、居室の天井は平均の高さで2.1m以上必要になります。また、採光や換気のために、各居室には窓を造らなければなりません(納戸は居室に入りません)

そして、避難経路となる階段にも決まりがあります。階段は75cm以上の幅が必要な他、踊り場の位置や踏み面の奥行、蹴上の高さにも細かい決まりがあります。

まとめ

土地を購入し家を建てる時、建売の家を購入して利用していく時など、最低限知っておくと良いものをまとめましたが、いかがでしたでしょうか。注文住宅を建てる時など、ハウスメーカーと打ち合わせする時に知っておいて損はありません。建築基準法で定められた基準や規制を理解しておけば、住宅の取得や維持管理の面において手助けになることでしょう。


2021-08-30 16:50:52

契約不適合責任とは?

令和2年4月1日に施行された改正民法では、これまでの瑕疵担保責任に代わり、新たに契約不適合責任が制定されました。大きな違いは、買主が売主に請求できる権利の範囲が以前よりも広くなったことです。また、契約解除の緩和要件など買主の救済手段が増えているので、従来では難しかった買主からの契約解除の申し立てやそれに関わる訴訟なども増えてくるでしょう。中古住宅を売りたい方にとっては、売買する際に気をつけなければならないことが増えたのです。今回は、不動産売買の際にトラブルを招かないよう、契約不適合責任について説明していきます。

契約不適合責任とは?

売主は、売買契約の内容に合ったものを買主に引き渡す義務を負っています。契約不適合責任とは、この契約において売主が買主に引き渡した目的物が、その種類・品質の点で契約内容と異なっていたり、数量が不足していた場合(契約内容に適合していなかった場合)に、売主が負う責任を指します。例えば買主が雨漏りしていることを知っていて、それを契約書に明記していれば、売主は契約不適合責任を負うことはありません。ですが、買主が雨漏りしていることを知っていても契約書に明記していない、あるいは雨漏りがないことが前提での契約書では、契約内容と異なったものを売ったとして、売主は契約不適合責任を負うことになります。

瑕疵担保責任との違いは?

では、契約不適合責任は従来の瑕疵担保責任とどこが違うのでしょうか。赤字が法改正で変わった部分です。

<売主の瑕疵担保責任に関する見直しについて>(赤字が法改正部分)

買主の救済方法 買主に帰責事由あり 双方とも帰責事由なし 売主に帰責事由あり
損害賠償 できない できない できる
契約解除 できない できる できる
追完請求 できない できる できる
代金減額 できない できる できる

《情報元》法務省:民法(債権関係)の改正に関する説明資料-主な改正事項-p.43

<目的物に欠陥がある場合における担保責任の内容>(赤字が法改正部分)

売買 請負
瑕疵担保責任 契約不適合責任 瑕疵担保責任 契約不適合責任
修理・代替物等の請求 修理については〇
損害賠償
契約解除(催告解除・無催告解除) 〇(建物等に制限あり)
代金減額

《情報元》法務省:民法(債権関係)の改正に関する説明資料-主な改正事項-p.62

改正前の瑕疵担保責任では売買の目的物に「隠れた瑕疵がある」場合、買主は売主に対して損害賠償請求や契約解除ができました。しかし追完請求や代金減額請求はできませんでした。
一方契約不適合責任では、売買の目的物が「契約の内容に適合しない」時、買主は売主に対して追完請求ができます。代金減額請求も可能です。瑕疵担保責任よりも買主が請求できる権利が増えています。

買主が請求できる5つの権利

それでは、買主が売主に請求できる5つの権利について解説していきましょう。

① 追完請求

改めて完全な給付を請求することです。契約不適合責任の中で一番重要な請求権で、引き渡された売買の目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合に、買主が売主に対して目的物の補修・代替物の引渡し・不足分の引渡しを請求できる権利です。不動産取引においては、「修補請求(欠陥箇所の修理を請求できる)」ということになります。例えば、雨漏りしていないという契約内容で購入した住宅が実際は雨漏りした場合、買主は売主に対して「雨漏りを直してください」と請求できるということです。

②代金減額請求

追完請求の修補請求をしても売主が修理をしない時、または修理が不可能である時に認められる、追完請求を補う二次的な請求権です。代金減額請求は「買主が相当の期間を設けて修理を請求したのに修理してもらえない場合」に認められますが、直せないことが明らかな場合は直ちに代金の減額請求が認められると定められています。代金減額請求権は「直せるものは催告が必要」、「直せないもの等は催告が不要」という2段構えの請求権ということです。

③催告解除

催告解除は、追完請求や代金減額請求をしたにも関わらず売主が応じない場合に、買主が催告して契約を解除できる権利です。つまり、売主が追完請求に応じない場合、買主は「代金減額請求」と「催告解除」の2つの選択肢を持っていることになります。契約解除された場合、売主は買主に売買代金を返還しなければなりません。

④無催告解除

無催告解除は、契約不適合により「契約の目的を達しないとき」に限って行うことができます。ただし、若干の不適合程度では無催告解除は認められません。

⑤損害賠償請求

旧民法でも買主には損害賠償請求が認められていましたが、瑕疵担保責任による損害賠償請求は売主の無過失責任(故意、過失がなくても責任を負う)でした。契約不適合責任では、売主に帰責事由(責められる落ち度や過失)がない限り損害賠償は請求されないことになっています。また、瑕疵担保責任の損害賠償請求の範囲は「信頼利益※1」に限られましたが、契約不適合責任での範囲は「履行利益※2」も含まれます。売主が賠償しなければならない損害の範囲が広くなったということです。

※1:信頼利益…契約が不成立・無効になった場合に、それを有効であると信じたことによって被った損害のこと(登記費用などの契約締結のための準備費用など)
※2:履行利益…契約を締結した場合に債権者が得られたであろう利益を失った損害のこと(転売利益や営業利益など)

注意する点について

・完璧な状態で売る必要はありません!

設備に関するものも責任の対象になります。しかし中古住宅の売買で既存の設備を利用する場合、不具合のリスクは高くなってしまいます。設備に関しては契約不適合責任を負わないことを契約書面に明記することが大切です。

・「隠れた瑕疵」が通用しません!

契約不適合責任により「隠れた瑕疵(見えない欠陥や不具合)」が通用しなくなり、売買時に不動産の現状を細部まで知っておくことが重要になります。

・物件の状況を契約書に明記することが重要です!

不動産売買で重要なことは売買の目的物の現状を把握し、その内容をしっかりと契約書に記すことです。瑕疵があること自体ではなく、「契約書に明記されているか」がポイントになります。欠陥がある場合はどのような欠陥があり、その欠陥については責任を負わない旨を契約書に明記することが求められるのです。

・請求期限が変わりました!

瑕疵担保責任では引渡しから1年以内に権利行使が必要だったのに対し、契約不適合責任では「事実を知ってから1年以内に告知すれば足りる(ただし引渡し後5年以内で請求権は消失)」と変わっています。

まとめ~不動産取引におけるインスペクションの薦め~

契約不適合責任は売主がどのくらい現状を把握しているかが重要になります。しかし中古住宅の経年劣化を客観的に把握することは難しいことです。そこでお勧めしたいのがホームインスペクションです。契約不適合責任について理解し、インスペクションを活用して、中古住宅の売買をトラブルなくスムーズに行いましょう。


2021-08-30 15:40:28

知っておきたい「火災保険」と「地震保険」の20の疑問

火災保険や地震保険の正しい知識を持って、不安を解消しよう!

日本の国内、どこに住んでいても、地震から逃れるすべはありません。
2011年3月11日の「東日本大震災」や2016年4月14日の「熊本地震」は最大震度7が観測され、家屋の倒壊、津波による被害、液状化、火災等による甚大な被害を受けました。

いつ起こるともわからない災害に対する備えは、火災保険や地震保険がカバーします。しかし、住まいを取り巻くリスクや、火災保険や地震保険の正しい知識を持つ人は、少ないのではないでしょうか?

今回は、火災保険や地震保険に関する疑問について、20項目に渡って解説します。不安解消の一助となれば幸いです。

1.地震の被害は火災保険でまかなえる?

火災保険では、地震による損害は補償されません。

火災保険では、地震を原因とする火災や、地震により延焼・ 拡大した損害は補償されません。地震に対する損害については、火災保険に原則自動付帯の地震保険でまかないます。

火災保険の中には、「地震火災費用特約」などで、火災保険から地震補償が受けられるものもありますが、支払われる補償額は損害をすべてカバーするものではありません。限度額があり、火災保険金額の5%程度で上限300万円など制約があります。限度額を多くするオプションなどもありますが、地震保険の金額とも比較して、設定するか判断が必要です。

2.地震保険の内容は保険会社で異なる?

地震保険の内容はどの保険会社も同じです。

地震保険は「地震保険法」に基づいて政府と各保険会社が共同で運営しているので、補償内容や保険料は火災保険とは異なり、各保険会社で同一です。

3.地震保険で補償される金額はいくら?

主契約の火災保険の保険金額の半分が最高額となります。

損害保険会社の担保力や国の財政にも限度があるため、火災保険の保険金額の50%までに制限しています。

建物と家財に対し、火災保険で設定した額の30%~50%の範囲で原則自動付帯となります。建物は5000万、家財は1000万までが限度額となります。

地震保険は被災者の当面の生活を助けることを目的としているため、金額的に家の再建築を補償するものではありません。しかし、生活再建への役割を担う保険となりますので加入すべき保険です。

4.地震保険だけを単独で契約できる?

地震保険は火災保険に付帯する契約なので、単独加入は出来ません。

火災保険は建物と家財を対象として契約することができます。同様に、地震保険も建物と家財を対象とすることができます。ただし、主契約である火災保険が建物のみを対象とする場合は、地震保険の補償範囲も建物のみとなります。
なお、火災保険契約期間の途中でも、地震保険に入ることができます。

5.マンションの地震保険とは?

共有部分は、管理組合が保険を掛けていることが多いです。マンションの住民は専有部分および家財に保険を掛けます。

マンションは専有部分と共用部分に分かれます。どこまでが専有部分となるかは管理規約などに定められているので、よく確認しましょう。

共用部分については管理組合で地震保険を掛けている場合がほどんどで、管理費から賄われています。

地震保険の保険料は、住んでいる都道府県と建物の構造で異なりますが、一般に、一戸建てよりも、マンションの専有部分の保険料のほうが安く済むことが多いです。

6.地震保険で支払われる保険金は?

建物、家財(契約がある場合)に対して全損(100%)、大半損(60%)、小半損(30%)、一部損(5%)の割合で払われます。

地震保険では、火災保険のように実際の損害額をもとに保険金が支払われるのでは無く、損害を4区分(全損、大半損、小半損、一部損)に分類し、保険金額に一定の率を乗じた額が支払われます。これは、大地震が発生した場合でも、短期間に大量の損害調査を行い、公正に迅速に保険を支払う必要があるため、このような方法を取っています。

損害の程度 支払保険金
建物 全損 地震等により損害を受け、主要構造部(基礎、柱、壁、屋根等)の損害の額が、
その建物の時価額の50%以上となった場合、
または焼失もしくは流失した部分の床面積がその建物の延床面積の70%以上となった場合
地震保険金額×100%
(時価額が限度)
大半損 地震等により損害を受け、主要構造部(基礎、柱、壁、屋根等)の損害の額が、
その建物の時価額の40%以上50%未満となった場合、
または焼失もしくは流失した部分の床面積がその建物の延床面積の50%以上70%未満となった場合
地震保険金額×60%
(時価額の60%が限度)
小半損 地震等により損害を受け、主要構造部(基礎、柱、壁、屋根等)の損害の額が、
その建物の時価額の20%以上40%未満となった場合、
または焼失もしくは流失した部分の床面積がその建物の延床面積の20%以上50%未満となった場合
地震保険金額×30%
(時価額の30%が限度)
一部損 地震等により損害を受け、主要構造部(基礎、柱、壁、屋根等)の損害の額が、
その建物の時価額の3%以上20%未満となった場合、
または建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmを超える浸水を受け、建物の損害が全損、大半損、小半損に至らない場合
地震保険金額×5%
(時価額の5%が限度)
家財 全損 地震等により損害を受け、損害の額が保険の対象である家財全体の時価額の80%以上となった場合 地震保険金額×100%
(時価額が限度)
大半損 地震等により損害を受け、損害の額が保険の対象である家財全体の時価額の60%以上80%未満となった場合 地震保険金額×60%
(時価額の60%が限度)
小半損 地震等により損害を受け、損害の額が保険の対象である家財全体の時価額の30%以上60%未満となった場合 地震保険金額×30%
(時価額の30%が限度)
一部損 地震等により損害を受け、損害の額が保険の対象である家財全体の時価額の10%以上30%未満となった場合 地震保険金額×5%
(時価額の5%が限度)

引用元:財務省 地震保険制度の概要

7.地震の揺れでテレビやパソコンが壊れたら補償される?

家財保険を掛けていた場合には補償されます。

テレビやパソコンや家具などは家財として補償されるので、家財保険の契約が無いと補償されません。家財の損害の額が時価額(新品の状態から保経過年数や使用による損耗を差し引いた金額)から10%以上となった場合は支払われます。

8.失火し近隣を燃やしてしまった場合の賠償は?

賠償の責任は、重大な過失がなければありません。

失火責任法という法律で規定されています。故意や重大な過失が無い限り隣家に被害を与えても賠償責任はありません。ただし、てんぷらを揚げるために油を加熱して外出してしまったなど重大な過失や、放火をするなどした場合はこの限りではありません。

しかし、事故とはいえ近隣に損害を与えた場合は、道義的な責任を感じる人がほとんどでしょう。そこで、火災保険には類焼損害・失火見舞費用補償特約などが用意されています。法律上の損害賠償責任がなくても、近隣の住宅や家財に延焼した損害を補償します。

9.火災保険ではどんなリスクをカバーできる?

火災だけを補償する保険ではありません。

以下の火災以外のリスクも補償されます。どこまで補償の範囲とするかは選択できます。ただし、地震による損害は補償外なので、原則自動付帯の地震保険への加入をおすすめします。

  • ・ 失火やもらい火による火災、落雷、ガス爆発などの破裂、爆発
  • ・ 風災、ひょう災、積雪による窓ガラスや屋根の損傷
  • ・ 給排水設備に生じた事故等による水ぬれ
  • ・ 泥棒に窓ガラスを割られた等による損害や家財の盗難
  • ・ 台風や集中豪雨による河川の氾濫などの水災
  • ・ 自動車の飛び込みや不注意による破損、汚損

10.免責金額とは?

保険事故が起きた際に、被保険者が自己負担しなければならない金額のことです。

設定する免責金額が大きいほど保険料は当然安くなりますが、免責金額が大きすぎると肝心な時に保険金が支払われず自己負担となり、保険を掛けた意味がなくなります。

各保険会社では、免責無し、3千円、5千円、1万円、5万円、20万円など、パターンがいくつかあり、保険会社により設定金額が異なります。

11.窓からの雨や風の吹き込みによる損害は補償される?

補償されません。

ただし、台風による飛来物によって窓が割れ、雨や風が吹き込んだ場合は、風災として補償されます。

12.建物を改築した場合、届出は必要?

必要です。届出が無い場合、保険金が支払われないこともあります。

保険契約締結後に建物の延べ床面積が増加、減少した場合はすぐに保険会社に届出をする必要があります。

例えば、増築、改築、一部取り壊し、または、事故による一部消失などが挙げられます。また、他にも、建物または家財を収容する建物の構造を変更した場合、建物の用法を変更した場合、建物や家財の所在地を変更した場合なども通知が必要です。

増改築などの結果、保険の引き受け範囲外となり、解約して新たに保険契約が必要になるケースもありますので、注意が必要です。
できれば、増改築の前に、保険会社に相談してみましょう。

13.火災後の仮住まいや宿泊費は補償される?

基本的には補償はありませんが、特約で補償されます。

ほとんどの火災保険には、事故時諸費用特約というオプションが付いています。
仮住まいの賃貸住宅の家賃や、住宅が修復されるまでのホテルの宿泊費をまかなうことができます。

14.火災保険の家財保険って何?

建物に収容される家財を補償する保険です。

建物のみを対象とする火災保険では、家具や家電製品、衣類などの家財が火事で燃えてしまっても、補償の対象となりません。家財を補償の対象とするには、家財保険を契約する必要があります。
貴金属など(金や宝石、美術品)のうち、1個または1組について30万円を超えるものついては、「明記物件」と呼ばれ、明細を出すなどして申告をしておかないと限度額までしか補償されない場合があります。保険会社の指示に従ってきちんと申告しておきましょう。

15.火災保険料金は建物構造で変わるの?

保険料は鉄筋コンクリート造では安くなり、木造住宅は高くなります。

住宅物件の構造級別は、建物の防火上の性能の高いほうからM構造、T構造、H構造の3区分なり、「M」はマンションを「T」はマンション以外の耐火建築物を「H」は非耐火(木造)を表しています。
一般には、M構造→T構造→H構造以下の順で保険料が高くなります。

16.保険料を安くするには?

カバーするリスクを限定すれば保険料金は安くなります。

火災や風災などに関するリスクに絞り、他の水ぬれ、盗難、水災、破損・汚損を除外すれば保険料金を軽減できます。自治体が出しているハザードマップを確認し、浸水予想区域や土砂災害危険地区、液状化になっていないかなど、立地条件を慎重に判断する必要があります。

17.火災保険の保険金額の設定はいくらにする?

再調達価格で再取得、再建築できる価格を設定します。

保険金額は損害が発生したときに支払われる保険金の限度額です。保険金額が低ければ保険料は安くなりますが、物件取得時と同じグレードの家が建てられなくなります。また、保険金額が高すぎれば保険料の負担が増えます。
従って、現在と同等の住まいが建てられる金額を設定することが合理的です。

18.火災保険が支払われない場合とは

放火などの故意や重大な過失がなければ支払われます。

重大な過失とは揚げ物の調理でガスの火が油に引火すれば火事になるとわかっていて持ち場を離れ失火した場合、煙草の不始末など過失の注意義務違反の程度が大きい場合を言います。また、その他には以下の通りです。

  • ・ 戦争、内乱、暴動など
  • ・ 地震、噴火またはこれらによる津波
  • ・ 核燃料物質による事故
  • ・ 保険の対象の欠陥(設計ミスによる不具合)
  • ・ 保険の対象の自然の消耗もしくは劣化または性質による変色、変質、さびその他類似 の損害
  • ・ ネズミ食い、虫食い(シロアリ)など
  • ・ 保険の対象の平常の使用または管理において通常生じ得るすり傷、かき傷、塗料の剥がれ落ちその他外観上の損傷または汚損があって、保険対象ごとに、その保険が有する機能の喪失または低下を伴わない損害

19.特約ってどんなもの?

事故時に発生する様々な費用に備えるためのオプション契約です。

事故そのものによって発生した損害を補償する基本となる契約が火災保険となりますが、事故の状況により派生して生じる損害や経費の問題が生じます。これをカバーするオプションが特約となります。特約は火災保険に自動的にセットされるものと個別に対価を払って契約するものがあります。主な特約は以下のようなものがあります。契約は任意です。

・ 事故時諸費用特約
火災などにより自宅に住めなくなった場合、仮住まいする賃貸住宅の費用やがれきなどの撤去費用などに充てるためのものです。
・ 失火見舞費用特約
自身が火元となって隣家に燃え移った場合は、重過失がなければ失火責任法によって賠償責任は負うことはありません。ですが、法的責任は無いにせよ、お詫びする意思を示すための見舞金が失火見舞金です。この特約をつけると、失火見舞費用の額が保険金として支払われます。保険会社によりますが、30〜50万円程度が限度です。
・ 類焼損害補償特約
自身が火元となって他の人の住宅に被害を与えた場合、被害先の火災保険の不足分を補う保険です。建物および建物に収容される動産(家電や家具など)に生じた損害の額から他の保険で支払われる額を差し引いた額を補償金として支払います。同一保険年度で最大1億円までとの制限が設けられています。
・ 電気的・機械的事故特約
建物付属機械設備に電気的(過電流によるスパーク・ショートなど)、機械的(機械部品の湾曲や折れなど)事故に対して補償するものです。建物付属機械設備とは家や部屋に付着する機械設備でビルトインタイプのIHクッキングヒーター、オーブンレンジ、エアコンの室内機、室外機、太陽光発電機、コンセント、ドアホン、浴室乾燥機などです。経年変化でサビ・ひび割れなどは対象外となります。機器がメーカーなどの保証期間中であればそちらが優先され適用されます。
・ 日常生活賠償特約
国内において漏水事故など住宅の使用、所有、管理に起因する事故や日常生活の事故により他人の生命または身体を害したり、他人の財物に損害を与え損害賠償責任を負った場合に、損害賠償を支払うものです。最大1億円など限度額があります。自転車で歩行者にぶつかりケガを負わせたなど他人への損害を賠償します。

20.保険請求に必要な書類は?

事故の状況や、保険会社により必要な書類は異なります。必ず、請求先の保険会社に必要な書類を確認し、指示に従い書類を提出しましょう。書類を揃えられない場合、保険金額が減額されたり、支払われないケースもあります。

目安として、必要となることが多い書類を以下に示します。

  1. 1. 保険金請求書
  2. 2. 修理見積書
  3. 3. 罹災物件写真
  4. 4. 罹災証明書
  5. 5. 事故内容報告書(事故届出書)
  6. 6. 損害明細書
  7. 7. 住民票
  8. 8. 印鑑証明書
  9. 9. 建物登記簿謄本
  10. 10. 保険金直接支払指図書

まとめ

正しい知識を身につけて、不安を解消しましょう!


2021-08-17 11:20:24

重要事項説明書(35条書面)とは?

重要事項説明書(35条書面)とは?

宅地建物取引業法では買主が契約内容を理解し、物件の売買契約の判断をするために宅地建物取引士を通じて35条に記載された重要事項について書面を交付し、契約が成立するまでの間に説明することを規定しています。この書面を略して重説と言います。説明が理解できないことが無いように事前にその概要を掴んでおきましょう。
重要事項の説明は大別すると物件に関する事項、契約内容に関する事項、マンションに関しての独自の事項の3つになります。重説の説明は買主の自宅などどこでもかまいません。重説は賃貸物件や物件の交換でも説明が必要になりますが、今回は売買物件の取引についてのみ説明します。

物件に関する事項

① 登記された権利の種類・内容・登記名義人または登記簿の表題部に記録された所有者の氏名

不動産の所有者は誰か、抵当権が付いている場合はその説明がされます。抵当権が設定されている場合は、購入前に抹消してもらう必要があります。また、差し押さえの登記などがないか登記簿と重説を確認して下さい。

②法令上の制限に関する事項の概要

土地計画法や建築基準法などで土地の利用が制限される場合は説明・記載されます。購入する物件の隣地に大きな建物が建つ可能性があるなど、土地計画法の用途地域の確認が必要です。また、建築基準法の制限によって将来建て替えができないなどの問題が出ないか、確認が必要です。

③私道に関する負担について

建物の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接しないと建築ができないため、私道を作ってこれに接道させる場合、この私道のために負担する面積やその維持費などについて記載・説明されます。私道負担がない場合は負担なしと記載されます。

④飲用水・電気・ガス等の供給施設・排水施設の整備状況

都市ガスかプロパンガスか、インフラの設備について説明されます。整備されていない場合には、その整備の見通しやその整備についての負担金について記載・説明があります。

⑤未完成物件の場合は工事完了時の形状や構造など

宅地は造成工事完了時の宅地に接する道路の幅、道路からの高さ、擁壁、階段、排水施設、井戸等の位置、構造等について、建物は 建築工事完了時の建物の主要構造部の鉄筋コンクリート造・ブロック造・木造等の別、屋根の種類、階数、内装、外装の構造や仕上げ、設備の設置などについて、平面図を交付して説明されます。

⑥ホームインスペクション(建物状況調査)の結果(既存の建物の時)

ホームインスペクション済かどうか、及び結果の概要が記載・説明されます。

⑦建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の保存の状況(既存の建物の時)

新築時の検査済証や増改築、ホームインスペクションの報告書、既存住宅性能評価書等、建物の建築および維持保全の状況に関する書類の保存の状況が記載・説明されます。

⑧土砂災害警戒区域内・造成宅地防災区域内・津波災害警戒区域内・水害ハザードマップ

土砂災害が発生した場合、建物が押し流されたりし、著しい被害が発生する可能性があると想定される区域内ある場合はその旨が記載・説明されます。
大規模な盛土などで造成された宅地で地盤災害が発生する恐れのある地域にある場合はその旨が記載・説明されます。
津波による浸水が想定される区域にあればその旨が記載・説明されます。
水害ハザードマップにおける対象物件の所在地について記載・説明されます

⑨石綿(アスべスト)の使用の有無の調査結果が記録されているときは、その内容

肺がんなどの発がん性のあるアスベストが使用されている家屋だという調査結果があれば、その内容が記載・説明されます。調査義務はないので、調査が行われていなければ「なし」と説明されます。

⑩耐震診断を受けている場合の内容

建物が建築物の耐震改修の促進に関する法律に規定する耐震診断を受けたものであるときは、その内容が記載・説明されます(建物のみ)。 ただし、昭和56年6月1日以降に新築に着手したものは省かれます。

⑪建物が住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨

住宅性能評価は国交省に登録された第三者機関が行うもので、建物の強さや省エネ性などの性能を評価するものです。評価された住宅であれば、その旨が記載・説明されます。

契約内容に関する事項

①代金(交換差金)、借賃以外の金銭の額と目的

手付金、固定資産税や都市計画税など、売買代金以外に必要な金銭を記載・説明されます。

②契約の解除に関する事項

相手側が契約の履行に着手する前であれば買主は手付金を放棄することで解約ができ、売主は手付金の倍額を払えば契約解除(民法557条)できることが記載・説明されます。

③損害賠償額の予定または違約金に関する事項

売主が物件を引き渡さなかったり、買主が代金を支払わない場合は、違約金の支払額や損害賠償の取り決めが記載・説明されます。

④手付金等の保全措置の概要(業者が自ら売主の場合)

未完成物件の場合、売り主が倒産してしまうと手付金が返還されない事態も生じます。これを防ぐための保全措置が記載、説明されます。保全措置が必要なケースは、未完成物件の場合は手付金額が購入代金の5%を超えるか1,000万円以上の場合です。完成物件の場合は、購入代金の10%を超えるか1,000万円以上の場合に保全措置を取らなければなりません。また、手付金の保全方法が記載、説明されます。ちなみに保全方法は銀行などによる連帯保証、保険事業者による保険、指定保管機関による現金の保管などがあります。

⑤支払金または預り金の保全措置の概要

登記や固定資産税・都市計画税などの精算、不動産会社が代行して行う金銭を伴う措置などに対して不動産会社が50万円以上の金銭を預かる場合は、保全措置を講じる必要があります。その際、保全措置の有無や、保全措置が取られた場合はその内容が記載・説明されます。

⑥斡旋するローンの内容、ローン不成立の場合の措置について

本来は宅建業者(不動産会社)が特定の金融機関と提携し斡旋するローンを説明する項目ですが、通例としてそれ以外のローンについても説明されます。記載項目は金融機関名、融資金額、金利、借入期間、斡旋の有無、ローン保証料、手数料などがあります。また、融資が不成立の場合は契約が解除されることや、手付金として預かった金銭を返却することが記載・説明されます。

⑦契約不適合担保責任保険契約等の措置を講ずるかどうか、講ずる場合にはその概要

宅地建物が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合、その不適合を担保すべき責任(契約不適合責任)の履行に関して、保証保険契約の締結その他の措置で一定のものを講ずるかどうか、およびその措置を講ずる場合におけるその措置の概要が記載・説明されます。

⑧割賦販売契約の場合

現金販売価格・割賦販売価格・頭金・賦払金の額、支払時期・方法等が記載・説明されますが、ケースとしてはほとんどありません。

マンションに関しての独自の事項

①敷地に関する権利の種類および内容

物件名称や敷地面積、所有権か借地権かが記載・説明されます。

②共用部分に関する規約の定め

集会所や管理室・倉庫など管理規約によって共有部分としている時は、その旨が記載・説明されます。

③専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約等の定め

専有部分とは、自身が所有する部屋です。利用制限とはペットが飼えない、事務所としての利用はできないなどの取り決めで、それらがある場合は記載・説明されます。

④専用使用権に関する規約等の定め

1階の所有者のみに専用庭が使える、抽選で当たった人のみが駐車場を使用できるなど、特定の人のみ建物または敷地の一部が利用できる場合を記載・説明されます。

⑤所有者が負担すべき費用を特定の者のみ減免する旨の規約等の定め

売れ残りの部屋のある分譲マンションで、管理費および修繕積立金は分譲会社は負担しないなどの規約がある場合は記載・説明されます。この費用は区分所有者が負担することになるので記載・説明されます。

⑥計画修繕積立金等に関する事項

積立金の毎月額、すでに積み立てている額、滞納があればその額とその支払(精算)方法が記載・説明されます。滞納がある場合は買主が支払うことになるケースもあるので、注意が必要です。

⑦通常の管理費用の額

管理費の毎月額、滞納があればその額とその支払(精算)方法が記載・説明されます。

⑧管理の委託先

管理形態(全面委託管理、一部委託管理、自主管理)、委託先の名称、住所などが記載・説明されます。

⑨建物の維持修繕の実施状況の記録

外壁塗装など、過去の修繕内容などの記録が記載・説明されます。

⑩その他

管理費・修繕積立金等の変更予定の有無、大規模修繕の予定の有無、自治会費その他諸費用があればその金額等が記載・説明されます。

まとめ

重要事項説明書の交付と説明は、契約の意思決定を行うための重要な判断材料となります。不動産の購入者は、宅建業者に比べて不動産や不動産の売買に関する知識が乏しく、その不利や不備をカバーするのが重説の目的です。分からないことがあれば知ったかぶりをしないで、良く聞き返すことが重要です。最終的に記名・捺印をしますが、理解しないで捺印することがないよう、事前に概要は把握しておきましょう。


2021-08-16 10:26:53

【フラット35】地域連携型とは?

【フラット35】地域連携型とは?

【フラット35】地域連携型とは、地域の活性化に取り組む地方公共団体と住宅金融支援機構が協定を締結して、地方移住者等に対する地方公共団体による補助金交付などの財政的支援とあわせて、【フラット35】の借入金利を5年間、年0.25%引き下げる制度です。Uターン・Iターン・Jターン、コンパクトシティ形成、空き家バンクに登録されている住宅の取得、防災・減災対策が講じられた住宅を取得する場合が対象になります。

【フラット35】地域連携型の利用条件

【フラット35】地域連携型を利用するためには、住宅金融支援機構と連携する地方公共団体から「【フラット35】地域連携型利用対象証明書」の交付を受ける必要があります。

1.Uターン、Iターン、Jターンを契機に住宅を取得する場合

  • ・Uターン……地方から都市部に移住した人が、再び故郷に戻ること
  • ・Iターン……都市部から、出身地とは異なる地方に移住すること
  • ・Jターン……故郷から進学や就職を機に都市部へ移住した後、故郷に近い地方都市へ移住すること

2. コンパクトシティ形成

居住誘導区域外から居住誘導区域内に移住する際に住宅を取得する場合

3.空き家の活用

空き家バンクに登録されている住宅を取得する場合

4.防災・減災対策に役立つ住宅を取得する場合

令和元年10月借入申し込み受付分から、防災・減災対策(耐震改修を除く)が講じられた住宅を取得する場合も適用されるようになりました。

【フラット35】地域連携型が利用できる地方公共団体

住宅金融支援機構と連携する地方公共団体は、こちらから確認できます↓
地域連携型を連携している地方公共団体

〈事例〉

都市部から海老名市へ移転、空き家バンク登録住宅を取得しリフォームする場合

→海老名市空き家活用促進リフォーム助成事業により、最大50万円の交付が受けられます(地方公共団体による補助金交付)

※補助対象住宅は以下の①~④の要件をすべて満たす必要があります。

  1. ①海老名市内にある戸建て住宅または店舗などとの併用住宅の住宅部分(共同住宅の空き住戸は対象外)
  2. ②申請時点において6ヶ月以上居住がなく、空き家となっている住宅(空き家購入者および空き家賃借人が申請する場合は、居住のない期間が6カ月未満でも可です。 居住実態のない新築住宅は対象外です。併用住宅は店舗等の部分も利用されていないものに限ります)
  3. ③住宅およびその敷地に係る固定資産税に滞納がない
  4. ④現行の耐震基準を満たしている住宅

※補助対象者は以下の①~③の要件をすべて満たす必要があります。

  1. ①海老名市内にある空き家の所有者・空き家購入者または空き家賃借人であり、リフォーム契約者
  2. ②市税等を滞納していない
  3. ③過去にこの助成金の交付を受けていない

→それに加えて【フラット35】地域連携型の借入金利が5年間、年0.25%引き下げられます。

※対象

住宅を取得して改修する「海老名市空き家活用促進リフォーム助成事業」を利用する人(海老名市から「【フラット35】地域連携型利用対象証明書」の交付を受ける必要があります)

《情報元》海老名市と住宅金融支援機構が連携・タイアップチラシ【海老名市】

【フラット35】Sでさらに金利を引き下げることもできます!

【フラット35】Sとは、省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性など、質の高い住宅を金利の引き下げで応援する制度です。

※【フラット35】地域連携型と、【フラット35】Sは併用できます。

金利引き下げの組み合せ 金利引き下げの期間および幅
【フラット35】地域連携型
+
【フラット35】S(金利Aプラン)
【フラット35】の借入金利から
当初5年間 年-0.5%
6年目から10年目まで 年-0.25%
【フラット35】地域連携型

【フラット35】S(金利Bプラン)
【フラット35】の借入金利から
当初5年間 年-0.5%

(金利Aプランを利用するには、Bプランよりも高い住宅基準を満たしていることが求められます)

※【フラット35】地域連携型と、【フラット35】リノベも併用できます。

金利引き下げの組み合わせ 金利引き下げの期間および幅
【フラット35】地域連携型

【フラット35】リノベ(金利Aプラン)
【フラット35】の借入金利から
当初12年間 年-0.5%
【フラット35】地域連携型

【フラット35】リノベ(金利Bプラン)
【フラット35】の借入金利から
当初7年間 年-0.5%

(リフォーム工事費の要件は、金利Aプランで300万円以上、金利Bプランで200万円以上です。中古住宅の維持保全にかかる措置がとられていることが条件です。また、金利Aプランを利用するには、Bプランよりも高い住宅基準を満たしていることが必要になります)

※【フラット35】Sと【フラット35】リノベの併用はできません。

《情報元》住宅金融支援機構:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

それでは、どの程度お得になるのか試算してみましょう。こちらでシミュレーションができます↓

住宅金融支援機構 :「返済プラン比較シミュレーション」

〈事例〉借入金2500万円、返済期間35年(元利均等返済)の場合

(令和3年7月現在の金利です)

返済プラン 【フラット35】 【フラット35】
地域連携型
【フラット35】地域連携型

【フラット35】S(金利Bプラン)
借入金利 全期間(35年)1.33% 当初5年間 1.08%
6年目以降 1.33%
当初5年間 0.83%
6年目以降 1.33%
毎月の返済額 ¥74,481 当初5年間¥71,507
6年目以降¥74,077
当初5年間¥68,608
6年目以降¥73,663
総支払額 ¥31,281,943 ¥30,958,258 ¥30,635,351
お得額 ¥323,685 ¥646,592

【フラット35】地域連携型の利用手続きの流れ

《情報元》住宅金融支援機構:【フラット35】地域連携型の手続の流れより

【フラット35】地域連携型の注意事項

1.利用できる地方公共団体は全国の一部に限られる

どの地方への移住でも利用できるわけではないので、移住したい地域が対象になっているかどうかの確認が必要です。

2.予算が決まっている

【フラット35】地域連携型には予算金額があり、予算金額に達する見込みとなった場合は、受付が終了となります。受付終了日は、終了する約3週間前までに【フラット35】のサイトでお知らせがあります。

3.借り換えでは利用できません

まとめ

【フラット35】地域連携型は、【フラット35】の借入金利を5年間、年0.25%引き下げる制度です。【フラット35】と地方公共団体で設定する技術基準の双方を満たさなければならずハードルが高いですが、利用価値の高い制度なので利用できる人は活用していきたいですね。【フラット35】での借り入れを考えている人は、移住したい地域の自治体が住宅金融支援機構と連携しているか確認してみましょう。


2021-08-15 14:40:46

住宅性能表示制度とは

マイホームの購入は、とても高価なお買い物です。専門知識のない一般の購入者は、何を基準に家を選び、信頼すればよいのでしょうか。判断基準として指針となるのが、「住宅性能表示制度」、「長期優良住宅」、「フラット35適合」の3点です。今回はその中でも「住宅性能表示制度」に焦点を当てていきます。

住宅性能表示制度とは?

住宅性能表示制度とは、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に基づく制度です。品確法は住宅性能表示制度を含む、以下の3本柱で構成されています。

  1. (1)新築住宅の基本構造部分の瑕疵担保責任期間を「10年間義務化」すること
  2. (2)様々な住宅の性能をわかりやすく表示する「住宅性能表示制度」を制定すること
  3. (3)トラブルを迅速に解決するための「指定住宅紛争処理機関」を整備すること

住宅性能表示制度は、従来不明瞭だった住宅の性能について法律に定められた共通のルールで評価し、表示することで、住宅の性能を比較検討しやすくしたものです。国土交通大臣が客観的評価を行う第三者機関を評価機関が性能評価を行い、住宅性能評価書として交付します。

住宅性能評価書の種類

  1. (1)設計住宅性能評価書……設計図の段階での評価
  2. (2)建設住宅性能評価書……完成後の住宅の評価
  3. (3)既存住宅性能評価書……中古住宅の評価

この制度は任意の制度なので、消費者が受けるかどうかを判断する必要があり、評価のための費用もかかります。費用は評価機関により、一律ではないので、費用の確認が必要です。しかし客観的に住宅性能を把握できるので、購入動機の裏付けになり、家を買う安心感が得られます。

住宅性能表示制度を受けるメリット

住宅性能標示制度を受けると客観的に住宅の性能が判断できるメリットのほか、地震保険の割引、トラブル発生時には紛争処理機関が利用できます。

(1)地震保険の割引

保険開始日 平成26年6月30日以前 平成26年7月1日以降
免震建築物割引 30%割引 50%割引
耐震等級割引(構造躯体の倒壊等防止) 耐震等級3 30%割引 50%割引
耐震等級2 20%割引 30%割引
耐震等級1 10%割引

(2)紛争機関の利用

もし売主や施工会社との間でトラブルが生じた場合は、裁判によらず住宅の紛争を円滑・迅速に処理するための指定住宅紛争処理機関を利用できます。

建設住宅性能評価書が交付された住宅の紛争であれば、評価書の内容だけでなく、請負契約・売買契約に関する当事者間の全ての紛争処理を扱ってもらえます。紛争処理の1件当たりの手数料は1万円です。

新築住宅の場合

10項目の評価基準で、住宅の安全を評価します。新築住宅の性能の表示項目には10分野32項目(必須項目4分野9項目)があります。これらの評価項目は、住宅の外見や簡単な間取図からでは判断しにくい項目が優先的に採用されています。

この評価等級が高いほどその項目での性能は高いことになりますが、耐震性を上げると窓などの開口部を大きく取れず採光面で不利が生じることもあり、評価項目間でどちらを優先するかバランスを考える必要はあります。すべての項目が最高等級というわけにはいかないのです。

(1)地震などに対する強さ

主に耐震性、耐風性、耐雪性に関する項目です。耐雪性に関しては多雪区域のみ評価されます。また、地盤または杭の許容支持力等およびその設定方法、基盤の構造方法および形式等が記載されます。

・地震に対する建物の倒壊、崩壊のしにくさの評価
地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊のしやすさの等級
3 数百年に一度発生する地震による力(震度6から7の1.5倍)で倒壊しない程度
2 数百年に一度発生する地震による力(震度6から7の1.25倍)で倒壊しない程度
1 数百年に一度発生する地震による力(震度6から7)で倒壊しない程度
・地震に対する構造躯体の損傷の生じにくさの評価
地震に対する構造躯体の損傷の生じにくさの等級
3 数十年に一度発生する地震による力(震度5強)の1.5倍の力で倒壊しない程度
2 数十年に一度発生する地震による力(震度5強)の1.25倍の力で倒壊しない程度
1 数十年に一度発生する地震による力(震度5強)で損傷を生じない程度
・暴風に対しての建物の倒壊、崩壊、損傷のしにくさの評価
暴風に対する構造躯体の倒壊、崩壊などのしにくさ及び躯体構造の損傷の生じにくさの等級
2 500年に一度発生する暴風(※1)による力の1.2倍の力に対して倒壊・崩壊せず、50年に一度発生する暴風(※2)の力の1.2倍の力に対して損傷を生じない程度
1 500年に一度発生する暴風(※1)による力で倒壊・崩壊せず、50年に一度発生する暴風(※2)の力に対して損傷を生じない程度

※1:東京近郊の住宅地を想定した場合、高さ10mの位置で平均風速が約35m/s、瞬間最大風速が約50m/sの暴風に相当します。
※2:東京近郊の住宅地を想定した場合、高さ10mの位置で平均風速が約30m/s、瞬間最大風速が約45m/sの暴風に相当し、これは、伊勢湾台風時に名古屋気象台で記録された暴風に相当します。

(2)火災に対する安全性

この基準では、住宅内や近隣の住宅で火災が発生した時に人命や身体が守られること、財産が守られることを目標にしています。

・感知警報装置設置の等級

安全に避難できるするようにするために、早く火災を感知して迅速に避難を開始できるよう、「感知警報装置の設置」を採り上げています。

感知警報装置設置の等級
4 すべての台所及び居室で発生した火災を早期に感知し、評価対象住戸全域にわたり警報を発するための装置が設置されていること
3 すべての台所及び居室で発生した火災を早期に感知し、当該室付近に警報を発するための装置が設置されていること
2 すべての台所及び寝室で発生した火災を感知し、当該室付近に警報を発するための装置が設置されていること
1 すべての寝室で発生した火災を感知し、当該室付近に警報を発するための装置が設置されていること
・耐火等級

延焼に対して、窓などの開口部がどれくらいの間耐火性があるか評価されます。

耐火等級(開口部)
3 火炎を遮る時間が60分相当以上
2 火炎を遮る時間が20分相当以上
1 その他

窓などの開口部以外の場合

耐火等級(開口部以外)
4 火熱を遮る時間が60分相当以上
3 火熱を遮る時間が45分相当以上
2 火熱を遮る時間が20分相当以上
1 その他

(3)柱や土台などの耐久性

建材は時間が経つにつれて、湿気や大気汚染物質などの影響を受けて錆びる、腐るなど劣化します。その結果、修繕や建て替えが必要になることもあります。この基準は建材の劣化を遅らせる対策がどのくらいされているかを評価するもので、構造躯体等に使用される材料の劣化を軽減する対策を採り上げています。

構造躯体に使用する材料の交換等大規模な改修工事を
必要とするまでの期間を伸長するため必要な対策の程度の等級
3 通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下で3世代(おおむね75~90年)まで、大規模な改修工事を
必要とするまでの期間を伸長するため必要な対策が講じられている
2 通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下で2世代(おおむね50~60年)まで、大規模な改修工事を
必要とするまでの期間を伸長するため必要な対策が講じられている
1 建築基準法に定める対策が講じられている

(4)配管の清掃や補修のしやすさ、更新対策

給排水管、給湯管、ガス管の点検や清掃・補修のしやすさを評価しています。

維持管理対策等級
3 掃除口及び点検口が設けられている等、維持管理を容易にすることに特に配慮した措置が講じられている
2 配管をコンクリートに埋め込まない等、維持管理を行うための基本的な措置が講じられている
1 その他

(5)省エネルギー対策

地球温暖化対策を含めて、冷暖房に使用するエネルギー効率を向上させるため、構造躯体の断熱措置などの程度が評価されます。

省エネルギー対策等級
4 エネルギーの大きな削減のための対策(エネルギーの使用の合理化に関する法律の規定による建築主の判断の基準に相当する程度)が講じられている
3 エネルギーの一定程度の削減のための対策が講じられている
2 エネルギーの小さな削減のための対策が講じられている
1 その他

(6)シックハウス対策・換気

いわゆるシックハウス症候群対策で室内の空気のほこり、微生物、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素及び化学物質などの濃度を削減する対策が取られているか、ホルムアルデヒドなど化学物質などの濃度を測り評価します。また、建材の選定と換気方法を評価します。

ホルムアルデヒド対策(内装及び天井裏等)等級
3 ホルムアルデヒドの発散量が極めて少ない
(日本工業規格又は日本農林規格のF☆☆☆☆等級相当以上)
2 ホルムアルデヒドの発散量が少ない
(日本工業規格又は日本農林規格のF☆☆☆等級相当以上)
1 その他

(7)窓の面積

窓(開口部)には日照、採光、通風の他、眺望、開放感などの機能があります。住宅室内の採光をはじめとする開口部の総合的効果をあわせて見込んだうえで、開口部の面積と位置についてどの程度の配慮がなされているかを評価します。

  • ・単純開口率:居室の外壁又は屋根に設けられた開口部の面積の床面積に対する割合
  • ・方位別開口比:居室の外壁又は屋根に設けられた開口部の面積の各方位毎の比率

(8)遮音対策

マンションなどの共同住宅では重量床衝撃音(子供の走りまわる音)など評価項目は多いですが、一戸建てでは住宅外部からの遮音性が評価されます。これを透過損失等級といい、居室の外壁に設けられた開口部に方位別に使用するサッシによる空気伝搬音の遮断の程度を評価します。

透過損失等級(外壁開口部)
3 特に優れた空気伝搬音の遮断性能(日本工業規格のRm(1/3)―25相当以上)が確保されている程度
2 優れた空気伝搬音の遮断性能(日本工業規格のRm(1/3)―20相当以上)が確保されている程度
1 その他

(9)高齢者や障害者への配慮

バリアフリーのための配慮がどの程度取られているか、「移動時の安全性」、「介助の容易性」に着眼点を当てて評価されます。具体的には段差の解消、手すりの設置、高齢者の寝室と居間などが同一階に配置されているか、玄関、通路、浴室、トイレの広さなどです。

住戸内における高齢者等への配慮に必要な対策の程度の等級
5 高齢者等が安全に移動することに特に配慮した措置が講じられており、介助用車いす使用者が基本的な生活行為を行うことを容易にすることに特に配慮した措置が講じられている
4 高齢者等が安全に移動することに配慮した措置が講じられており、介助用車いす使用者が基本的な生活行為を行うことを容易にすることに配慮した措置が講じられている
3 高齢者等が安全に移動するための基本的な措置が講じられており、介助用車いす使用者が基本的な生活行為を行うための基本的な措置が講じられている
2 高齢者等が安全に移動するための基本的な措置が講じられている
1 住戸内において、建築基準法に定める移動時の安全性を確保する措置が講じられている

(10)防犯対策

防犯に配慮した住宅の計画を行う際の基本原則としては、主に以下の点があげられます。

  • ・周囲からの見通しを確保する(監視性の確保)
  • ・居住者の帰属意識の向上、コミュニティ形成の促進を図る(領域性の強化)
  • ・犯罪企図者の動きを限定し、接近を妨げる(接近の制御)
  • ・部材や設備を破壊されにくいものとする(被害対象の強化・回避)

ここでは、上記のうち被害対象の強化として、「開口部の侵入防止対策」について、どの程度の配慮がなされているかを評価します。

開口部の種類 侵入防止性能が求められる部分
開閉機構を有する開口部のうち、住戸の出入口として使用される開口部 玄関ドア、
勝手口
戸(侵入可能な規模の大きさのガラスがある場合は、そのガラス部分についても)、錠
開閉機構を有する開口部のうち、住戸の出入口として使用されない開口部 引き違い窓 サッシ枠(2以上のクレセント等が装着されているものに限る)、ガラス
開閉機構を有しない開口部 FIX
(はめ殺し)窓
ガラス

中古住宅の場合

中古住宅を売買する時、住宅の現況や性能がわかれば安心して売買できますね。

中古住宅の基準でも、基本的には等級の設定などの表示方法は新築住宅用の基準と同一となっています。ただし、遮音対策については評価対象外となります。

まとめ~安心を買う~

欠陥住宅の検知の観点からも、住宅性能評価制度の普及は望まれるところです。平成31年度の設計住宅性能評価書の交付割合は27.7%、建設住宅性能評価は22.5%と、過去最高となりました。しかしまだまだ普及が進んだとは言えません。平成12年10月に運用が始まってから20年経っていますが、3割に届かないのが現状です。申請が任意で費用がかかることが普及の進まない原因でもありますが、必須項目が4分野9項目に軽減されたので、必須項目だけでも試してみる価値はありそうです。特に中古住宅では、制度を利用することでトラブルなく安心して売買ができるでしょう。


2021-08-15 10:40:23

未公開物件とは?

未公開物件とは?

未公開物件(非公開物件)とは、売主や不動産会社の事情でインターネットやチラシなどで一般公開をされていない物件のことを言います。

公開されている物件とは、不動産会社のHPやSUUMOやLIFULL HOME’S、at homeなどの不動産物件検索サイトで広告されている、一般の方が検索できる物件のことです。未公開物件は一般には公開されていないので、その閲覧を材料に集客を行う業者もあり、あやしく感じる方もいるかと思います。

レインズ(不動産流通標準情報システム)とは?

未公開物件とはレインズに登録されていない物件のことで、登録されていても売主の都合で他社への紹介を停止中の物件や、インターネットに公開されていない物件情報のことです。では、このレインズって一体何なのでしょうか?

レインズ(REINS)は、Real Estate Information Network Systemの略で、国土交通大臣から指定を受けた各地域の公益社団法人、不動産流通機構が運営している不動産流通標準情報システムのことです。

レインズへの登録や詳細情報の閲覧ができるのは、会員登録をしている不動産業者のみです。個人ではレインズを閲覧できません。登録される情報に個人情報が含まれているためです。会員となっている不動産会社は、売りたい方、貸したい方の依頼に基づいて不動産情報を登録し、不動産業界全体が連携して買いたい方、借りたい方を探します。また、買いたい方や借りたい方には登録された最新の豊富な情報の中から最適な不動産を紹介します。

《出展》国土交通大臣指定公益財団法人東日本不動産流通機構のホームページより

物件の売却を不動産会社に依頼する場合は、売主と不動産会社の間で必ず媒介契約を結びます。

媒介契約には専属専任媒介契約※1、専任媒介契約※2、一般媒介契約※3の3種類があり、このうち専属専任媒介契約、専任媒介契約については、宅地建物取引業法によりレインズへの登録が義務付けられています。一般媒介契約では登録は任意です。

※1 専属専任媒介契約:不動産の売却の仲介 (媒介)を不動産仲介会社に依頼する際に結ぶ契約形態の一つで、 不動産売却の仲介の依頼を1社のみに限定して契約を行うこと。自分で買い手を見つけることができない。
※2 専任媒介契約:依頼主が他の業者への依頼をせず、売却活動を完全に1つの業者へ一任する契約形態のこと。自分で買い手を見つけても良い。
※3 一般媒介契約:複数の不動産仲介会社と契約可能な契約形態のこと。

未公開物件とは、一般媒介契約を交わし、レインズへは登録していない物件です。レインズに登録されないので未公開物件と言えます。更に専属専任媒介契約、専任媒介契約の物件でレインズには登録されてはいますが、売主の都合で他の不動産業者に紹介を停止している中古物件及びハウス・ビルダーなど自身が売主となる新築物件も、その候補となります。

公開しない理由は?

1.売主の事情で非公開になる場合

・プライバシーの配慮から
売主がまだ居住中なので、見学に来てほしくない場合、土地や家を売りに出していることを売主が近隣に知られたくない場合など、プライバシーへの配慮で公開しないことがあります。

・公開できる状態ではない物件
リフォーム、リノベーション中などで公開できる状態ではない場合です。

・一般媒介契約で1社のみと契約している物件
一般媒介契約ではレインズへの契約は任意なので、売主が1社と単独で媒介契約(一般)を結ぶことを了承した場合は「未公開物件」となり得ます。

2.業者の事情で非公開になる場合

・買い手がすぐにつくと判断した場合
広告をしなくてもすぐに売れるだろうと判断した場合、費用がかかる広告を出さないことがあります。

・不動産会社が売主である物件の場合
不動産会社が売却希望者から買い取った物件なら、不動産会社の自社物件として扱いが自由になるので、レインズに登録する義務はありません。リフォームやリノベーションをして付加価値をつけて販売することもあります。

・レインズ登録が完了していない場合
専任契約では7日以内、専属専任契約では5日以内にレインズへの物件登録が義務付けられていますが、この期間内にあり登録が完了していない物件です。

未公開物件はお得な物件?

秘密の物件と聞くと、見たくなるのが人の性です。しかし、未公開物件は本当にお得な物件なのでしょうか?「会員様限定の未公開」、あやしさ全開ですが、「あなただけの限定」という言葉と「プレミア感」に人は弱いものです。売主の事情、業者の事情を読んできておわかりだと思いますが、未公開だからお得な優良物件というわけではありません。また、不動産会社の中には、少なくなってはきましたが、未公開物件をおとりに使って集客を図る会社もあります。

未公開物件という言葉に踊らされず、仮に「この物件は未公開なんですけどね」と紹介された物件でも購入の判断は自分の目で確かめて、不動産会社にも不明点などを確認して納得した上で購入を決めましょう。

未公開物件を見るためには?

公開物件も未公開物件もあわせて閲覧して、自分の要望に合った物件を探すにはどうしたらいいのでしょうか。不動産会社は敷居が高く感じる方もいると思いますが、最新の物件情報が集まる場所なので、SUUMOなどの検索サイトよりもはるかに多くの情報を持っています。未公開物件を見るには2つの方法があります。

  • 1.不動産会社の店舗・店頭で見せてもらう
  • 2.不動産会社のホームページで氏名や住所を登録して会員になり、情報を得る

まとめ

不動産会社は入りづらい・押し売りされそう・しつこそう、というイメージを持つ方も多いと思いますが、家を買うとなれば最終的には不動産会社を通して物件を購入することになります。信頼できる不動産会社と営業マンを見つけられれば、希望する物件を早く見つけることもできるかもしれません。うまくいかない時は不動産会社を変えても問題ありません。コミュニケーションがとりやすく、地元に密着した信頼できる不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。


2021-07-26 10:41:08

コンパクトシティと不動産

コンパクトシティとは?

コンパクトシティって何でしょう? 国土交通省が実現しようとしているコンパクトシティは、以下の特徴を持ったコンパクトにまとまった街のことを指します。

  • ・ 高密度で近接した開発形態
  • ・ 公共交通機関でつながった市街地
  • ・ 地域のサービスや職場までの移動の容易さ

コンパクトシティの実現により、中心市街地を活性化させることができます。交通の便利な市街地に、店舗や住宅、病院などを集めて暮らしやすくすることができるのです。

人口減少・少子高齢化への対応

人口減少と少子高齢化により、大都市圏では高齢化が急速に進んでいます。それに伴って医療・介護の需要が増え、医療や福祉サービスの提供や地域の活力を維持できなくなる不安が生じてきました。高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることができるように、地域がサポートし合う社会のシステムを実現するため、既存ストックを活用しながら医療・福祉機能の望ましい配置を進める必要があると国は考えています。
東京圏では、2040年には85歳以上の高齢者が270万人に達すると予測されています。高齢者2人を生産年齢3人で支える状況になるのです。また、福祉施設の不足や老朽化が懸念されます。今後人口減少・少子高齢化により税収が減れば、地方自治体の財政難を招きます。住宅や公共施設、病院など郊外に拡散した生活をサポートする、そんな現在のような福祉サービスを維持することは無駄も多く、コストもかかるためできなくなります。そのため、限られた資源の集中的・効果的な利用で持続可能な都市、すなわちコンパクトシティにしていかなければならないとの提言がなされています。
また郊外に住むことで、近所付き合いの低下や地域コミュニティの希薄化などに伴って、見守りのネットワークからこぼれる高齢者も出てきます。ひとり暮らしの高齢者を地域で支え合うことが困難になっているのです。コンパクトシティは医療や福祉サービスが身近にあるので、高齢者が安心して暮らすことができる街なのです。

防災対策

人口が集中している場所で大規模な地震が発生すると、被害が甚大になる恐れがあるため、コンパクトシティには賛否両論あります。しかし土砂崩れや水害などに対しては、住居や公共施設を危険性が低い地域へ移動させることで、被災者を減らすことが可能だと考えられます。

中心市街地から郊外に拡大された都市の弊害

多くの市区町村が人口減少による税収の落ち込みや高齢者の増加に伴って生活環境が大きく変わり、従来の公共サービスとしての医療や介護などの福祉サービスを維持できない状況が進行する問題を抱えています。
町田市周辺ではJR横浜線、国道16号など町田市外縁を通る鉄道沿線・幹線道路で大規模小売店舗が増加していますが、中心市街地の商業機能は低下傾向にあります。このまま進むと駅前の大規模店の老朽化と商店街の空き店舗化が進み、以下の状態になると懸念されています。

  • ・ バス路線の廃止が増加
  • ・ スーパー、コンビニなどの生活サービス機能が撤退し、買い物難民が増加
  • ・ 市内の大学が都心に移転し、若者が減少

郊外住宅地では市街中心地の活力の低下に伴い、住民の高齢化と相まって、以下の状態が懸念されます。

  • ・ バス路線の廃止が増加
  • ・ 放置された空き地・空き家の増加による治安悪化

中心市街地以外の駅のある市街地では、以下の問題が指摘されています。

  • ・ 来街者の減少により、商業施設や病院が撤退
  • ・ 移動手段が自家用車中心となり、道路渋滞の慢性化
  • ・ 公共施設が維持できず、一部のサービスが停止

コンパクトシティ化に向けての対策

  1. 1.公共サービスの継続

    従来の公共サービスを維持することは難しいので、サービス拠点を絞ります。拠点以外のサービス地域はコストを節約するため閉鎖します。例えば住民票や証明書発行などは、従来市民センターで行っていたものをコンビニやスーパーに任せます。医療や福祉に関するものは拠点に集約して行います。町田市の場合は町田駅、多摩境駅、鶴川駅、南町田グランベリーパーク駅を拠点とします。

  2. 2.交通機関の強化

    公共サービスの提供拠点を絞ることで不便にならないように、居住地から拠点までの交通の確保と強化が必要になります。町田市では市内どこからでも15分以内で拠点にアクセスできるようにするため、通勤時間帯の一般車両の駅前進入規制や通行課税制度の導入、幹線バスルートの優先レーンの整備、また多摩モノレールの延伸計画などの施策や交通網の検討を進めています。また、コミュニティバスやオンデマンドバスの導入などにより、地域内のアクセス性も確保していく予定です。

  3. 3.拠点での住宅、商業地の活性化

    町田市も駅周辺の商業に陰りが出てきています。原因としては郊外の大型店舗の利用が増加していることが考えられます。町田駅周辺は交通渋滞と駐車場の混雑で利用しにくい状況にあります。
    このままでは、人口減少により郊外の商業施設も利用者が減ります。同時に駅周辺の大規模店舗の更新が進まず老朽化し、商店街は空き店舗化しかねません。大規模店の再開発により、集客力を上げることが必要です。住宅や店舗などの市街地への拡散を拠点に集中させ、徒歩圏内で公共サービスや商業施設の利用ができるような街の構築を行う方針です。

コンパクトシティのメリット

  1. 1.公共サービスの充実

    コンパクトシティが実現すれば、公共サービスを行き渡らせるための費用が少なくて済みます。自治体に余裕が生まれれば、子育て支援や公共施設の充実などの恩恵が受けられるかもしれません。

  2. 2.高齢者が暮らしやすい街に

    コンパクトシティ化により行政サービスの充実が図られると、病院や薬局、介護サービスが利用しやすくなり、高齢者にとって暮らしやすい街になります。定年後の住み替えにも良いでしょう。

  3. 3.環境問題の改善

    郊外に住んでいる人にとって、自動車は必要不可欠なものです。しかしコンパクトシティにより徒歩や公共交通機関の利用で事足りるようになれば、自動車を使う頻度も減るでしょう。排気ガスによる大気汚染の問題も改善すると考えられます。

コンパクトシティのデメリット

  1. 1.居住地域の制限と住環境の悪化

    コンパクトシティでは、居住地域と環境保全の地域を区分けしています。コンパクトシティに賛同できず、移住しない人も出てくるでしょう。拠点では人口密度が上がるので、騒音や近隣トラブル、高層化による日照の問題、居住地域の制限による狭小住宅化、犯罪の増加などもあります。静かにのびのびと暮らしたい人は、郊外に住みたいと思うかもしれません。

  2. 2.資産価値の格差

    拠点から外れた地域の不動産は資産価値が下落するでしょう。居住地域と環境保全地域での不動産の価値は、格差が大きくなります。今まで都市部の地価が高くて郊外に住むことにした人たちは、都市部に住宅を購入する資金がありません。

コンパクトシティに対する誤解

  • ・市町村内の大きなターミナル駅周辺にすべてを集めるようなまちづくりをするのですか?
  • →中心的な駅と旧町村の役場周辺などの生活拠点が、公共交通機関で結ばれた多極ネットワーク型のコンパクト化を目指しています。
  • ・すべての住宅を一定のエリアに集めるのですか?
  • →すべての住宅の集約を図るものではありません。例えば農業に従事している方が農村部に居住するのは当然のことです。
  • ・居住者や住宅を強制的に短期間で移住させるのですか?
  • →誘導による集約であり、時間をかけながら居住者の集約化を推進します。強制ではありません。

まとめ~コンパクトシティと不動産~

コンパクトシティ化は必ずしも成功していないケースもあり賛否両論ありますが、これからマイホームを入手する場合は今後の人口減少・少子高齢化を見据えておくことが必要です。マイホーム取得を考えている人は、住みたい地区の地方公共団体の資料を閲覧することをお勧めします。各市町村では今後のまちづくりを、都市計画マスタープランとして公表しています。具体的に集約される地区拠点、サービスを継続する地区拠点など、特に今後のまちのありかたや方向性が示されています。特に老後のサービスに影響するので、購入したい不動産の立地条件を踏まえて認識しておくと良いでしょう。


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